銀座蔦屋書店で開催された『CUT AND CUT !』&『対談集 絵本のこと話そうか』刊行記念 五味太郎さんと國分功一郎さんと「絵本と哲学の話をしよう!」
に参加。
会場へ足を運ぼうと思ったのは、6月に読了していた國分功一郎さんの著書『暇と退屈の倫理学 増補新版』の内容に刺さりが多かったものの
本イベントで初めてお名前を知ることになった五味太郎さんが絵本作家とのことで、
國分功一郎さんを知ることになったきっかけの政治学者 白井聡さんとのトークイベントとは
だいぶ色合いの異なる切り口に、参加を逡巡するようなところがあったものの
いざ開演を迎え、お話しが始まると・・
然に非らず!
哲学者 國分功一郎さんが聞き手となり、五味太郎さんが質問に答える形式で進行され、
絵本が子どもの役に立つか問われ続けているが、人を導こうなんて思ったらお終い(導こうなどと考えたことはない)
子どもは子どもなりに読む、それで十分
子どもは本を読まない、歌えないのではなく、読みたくない(必要ない)だけだし、歌いたくないだけ(歌わせようとしてはいけない)
子どもは大人にとって必要な存在
さっと読んで分からなければ文章が悪い
仕事がなければ、好きなことをすれば良い(仕事のない状態が理解出来ない)*五味太郎さんご自身、ずっとアルバイトしている感覚
(絵本制作過程で)音が言葉を作っていく
真面目とは、誰にも文句のつけられない状態=可もなく不可もなく(もっと箍を外して良い)
「装置の中のどの辺にいるんだろう」としっかり考えて生きることが大事
今、一番足りないものは哲学とアート(この2つがない社会は滅亡する)
人間、専門というのはまずい(色んなことをやれば良い。何かの専門家にならないといけない息苦しさ)
等々、
五味太郎さんの確固たる考え方に、本質を突いている(であろう)示唆連発に、五味太郎さんのぶっちゃけキャラも相まって
お二人初対面であった様子でしたが、哲学の専門的な領域で意気投合されるなど、自分の理解が及んでいない部分がありながら、興味深い内容の応酬でした。
以前、神田昌典先生から「絵本は本質を端的伝えるもの」というお話しを思い出し、「こういうことかぁ」と今更ながらに。
金曜夜に、知的好奇心の余韻と
参加者からの質問を受け付けるなど約100分。予定を(10分ほど)超過する盛り上がりで、
応酬の奥深さから、國分功一郎さんが「人について書き切っている」と絶賛されいてた
『ヒト ニ ツイテ』をトーク終了直後にレジに走り買い求め、後日の楽しみとしたいと思いますが、
会場に戻り、事前に仕込んでいた國分功一郎さんの2冊を含め、
お二人からサインを頂戴して帰路に。
週末入りの開放感と知的好奇心を刺激されたことが掛け合わされ、その後、未明前に長き一日を終えるまで心地良い余韻に浸ることが出来ました〜