原書が発売された当時話題になり、遂に日本語版がリリースされた『ヴァン・ヘイレン・ライジング 伝説への導火線』を読み始め
第1章 はじまり
第2章 マンモスの創生
第3章 レッド・ボール・ジェットの冒険
第4章 デイヴィッド・リー・ロス、ヴァン・ヘイレンに加入
第5章 画期的進展
第6章 パサデナの闘い
第7章 競争
第8章 ゴールデン・ウェスト
第9章 商業的将来性ゼロ
第10章 まさに映画のような
第11章 「炎の導火線」
第12章 嵐の前の静けさ
第13章 そして世界へ
と章立てされているうち「第4章 デイヴィッド・リー・ロス 、ヴァン・ヘイレンに加入」まで読み終えたので、そこまでのおさらい。
このところずっと本を買った時期(≒購入順)に応じて読んでいましたが、本書は先週買ったばかり。
周囲から「買った?」「読んだ?」、更には感想が寄せられてきた状況に・・ 「早く読まねば」の心情に駆られ、早々に読書開始。
導火線への序章
訳文に関しての難を聞いたり、目にしたりしていましたが、これまでのところさほど気になるまでの点はなく
特に出だしは馴染みない(人物に地名等の)名称に、背景に、とっつきづらい部分はあるものの
VAN HALENファンであれば頭に入っているであろう
” そこにヴァン・ヘイレン兄弟がいた。「彼らは俺の家へ来てこう言ったんだ。「なぁ、デイヴの電話番号知ってるか?彼からPAを借りたいんだよ」とね。そこで俺は「ああ、もちろん」と答えたんだ」。それからアレックスがロスに連絡をとり、ロスはPAを貸すことに同意した。”(p128)
というDavid Lee Rothが所有していたPAがきっかけで、VAN HALEN加入の端緒を掴んだエピソードに、
” バンドはミーティングを開き、新しい名前について話し合った。自分達のバンドをまたカヴァー・バンドと見なしていたヴァン・ヘイレン兄弟は、ブラック・サバスの曲名からとった、ラット・サラダという名前を使いたがった。”(p154)
と、VAN HALENに落ち着くまでのバンド名変遷の歴史など、それぞれが(断片的ではなく)文脈の中で語られていて、ファンとしては有していた知識の点と点が、線として繋がっていくような感覚(=読み応え)を得られます。
出逢うべくして出逢った両者
これまで読んだところでは、Van Halen兄弟がDavid Lee Rothと合流する前、
“「パサデナでは誰も、マンモスが成功するなんて思ってなかった。彼らがうまいのはわかってたけど、私達にとっては単なるお楽しみだったのよ。」”(p084-085)
と力量は認められながらも突出した部分がなかったところ、David Lee Rothの関与が深まっていく中で
“「本当のところは、デイヴが音楽的にヴァン・ヘイレン兄弟を変え、ヴァン・ヘイレン兄弟もまたデイヴを変えたんだよ」”(p142)
であったり、
” デイヴィッド・リー・ロスはエンターテイナーとして、フロントマンとして、バンドに新しいタイプのスピリットを持ち込んだ感じだった。
最初の頃は、そのせいで離れていった人も多かったと思う。それから数ヵ月の間に彼らは曲も変えていったのよ」”(p145)
お互いの足りない部分を補い昇華させていくことで我々、広く一般が知るVAN HALENの音楽性が確立されていったことがよく分かる内容になっています。
残り9章/385ページ、パサディナローカルから世界的にその名を知らしめることになる導火線への着火ぶり(展開)が大いに楽しみです。