前々回、読み始め記↓
をアップロードしたグレンコ・アンドリーさんの『プーチン幻想 「ロシアの正体」と日本の危機』を読了。
標準的ロシア人から読み解く
その(読み始め記)後、読み進めた
第二章 ロシアは「約束を破るために約束をする」
第三章 ウクライナの教訓〜平和ボケと友好国への盲信が悲劇を招く
で、印象に残ったのは
日本がロシアと長期に及んで直面している北方領土問題に関して
” ロシア人の領土に対する執着は異常なものである。ロシア人は八、九割方、いかなる領土に関する妥協にも猛反対する。
しかし、侵略によって強奪した領土の返還に対しても猛反対が起きる。つまり、国際法や正義感を完全に無視し、つねに自分に都合よく状況を解釈しているのだ。”(p122)
に、
” ロシアの日本に対する考え方は昔から変わっておらず、十分な国力がないだけである。この点を絶対に勘違いしてはいけない。
「物理的に可能になったときに侵略を実行する」というのはロシア外交の基本であり、昔から一貫した姿勢である。”(p139)
というプーチン大統領にとどまらない一般的なロシア人の考え方に、ウクライナ情勢の深刻化から現実性を帯びてきたようにも感じられるロシアの南下に・・
それらが史実、国民性といった視点から紐解かれていて学びの機会となりました。
ウクライナから学ぶべきこと
それらの中でハッとさせられたのは、1990年7月16日に採択されたウクライナ主権宣言において
” 「ウクライナは恒久的に中立国であり、いかなる軍事同盟にも参加しない。なおウクライナは非核三原則:核兵器を受け入れない、作らない、手に入れないことを約束する」
世界中、非核三原則を発表した国はたった二カ国しかない。それは日本とウクライナである。”(p196)
の件、本書がウクライナが戦場と化す前の2019年3月に上梓されたことからグレンコ・アンドリーさんが近未来を予見していたか否かは不明ながら
他国が辿ってきた道程を踏まえ、それを自国にも当てはめてみて、想定し得る事柄に備えておくことの必要性は読中より強く感じさせられました。