週中に読み始め記⬇︎をアップロードしていた
お笑いタレント 東野幸治さんの『この素晴らしき世界』を読了。
尋常ならざる吉本芸人の面々
全255ページとの厚みから時間を要しましたが、段々と東野幸治さんの文構成(=世界観)に馴染んでいったせいか、
俄然、中、後半と前のめりにさせられ ^〜^
“「タレントが6,000人いるといわれている吉本の中で一番の奇人は誰か?」という質問をされたら、私は即座に「次長課長の井上聡君」と答えます。
・・中略・・
東京に来たものの仕事はなく、知り合いがいるわけでもないので井上君はずっと家にこもっていました。
独身で少しの貯金があったので、毎日毎日そのキーボードを我流で弾いて過ごします。
楽譜が読めないので耳を頼りに、鍵盤を叩いて音を見つけてはまた鍵盤を叩き、少しずつ弾けるようになりました。
曲によっては、そのキーボードでは鍵盤が足りないこともありました。
足りない高い音はキーボードの右端を想像で弾き、低い音もキーボードの左端を想像で弾き・・・
それはそれは夢中に弾き続け、気づけば何も食べずに弾き続けて栄養失調で倒れたこともあったそうです。”(p94/p97)
という笑うに笑ってはいけなさそうなエピソードあれば、
” 石田君は本当に何でも、的確に答えてくれます。
「あのコンビはなんでM-1の決勝に行かれへんの?」
「あそこのコンビは大阪では人気でキャラクターが浸透しているけど、東京ではまだあまり知られていない。それなのに東京でも大阪のキャラを引きずって漫才をするからダメなんです」
・・中略・・
「芸人に笑ってもらったら嬉しいやん」
「ダメです。袖を意識してる漫才師はダメです。漫才は前に座っているお客さんに笑ってもらうモノです」
・・中略・・
「もともとタレントという仕事に魅力を感じていないので、テレビで成功したいという感覚を持ったことがありませんし、テレビはネタ番組くらいしかやりたいと思いません。
ネタ番組も劇場に来てもらうための宣伝でしかなくて、生の舞台で見てもらった方が格段に面白いので舞台中心でやっていきたいです」とキッパリと答えていました。
ノンスタの漫才が大好きなファンからすると涙が出るほど嬉しい答えだと思いますが、完全に私の仕事に対するリスペクトがないことを再認識しました。”(p116-118)
プロらしい視点に軽やかなオチに・・
TV越しでは分からぬここだけの話しが散りばめられており、自然と頬を緩められながらの読書となりました〜
吉本ワールドへの入場口
後半には一転、本書で最も評判の芳しいと思わしき宮川大助・花子さんのちょっとホロっと話しも読みどころで
発売後の売れ行き好調とのことですが、
納得させられる読後感。
私個人、本書を読んで初めて知るに至った芸人さんも多く、そういった方々を含め、お笑い番組を視聴する際、本書を読んでおくと、これまでと違う楽しみ方に、思い入れを抱けるようにしてくれる一冊です。