蓬台浩明さんを通じて学ぶ吉田松陰の教え:『吉田松陰の言葉に学ぶ 本気の生きざま』読了

先日参加した「十方よし」経営サミットで講演を聴講する機会に恵まれた(株)都田建設 蓬台浩明社長著『吉田松陰の言葉に学ぶ 本気の生きざま』を読了。

>> 蓬台浩明社長が「感動の涙」を通じて実現している人生観:第1回「十方よし」経営サミット参加記 <<

都田建設は浜松市内で利便性に恵まれた立地と言えないながらも、新築注文住宅事業を通じて、

顧客に「感動の涙」を流してもらうべく徹底した「おもてなし」を実践し、口コミに次ぐ口コミで年間紹介件数230件を誇る。

本書の紹介を著者の蓬台社長の説明から引用すると・・

” この本では、読者のあなたが吉田松陰先生から直接学んでいるんだと思っていただけるような工夫をしてみました。

本書ではまず、松陰先生の名言を紹介します。その言葉を私なりに解釈して、現代的な表現に言い換えていますので、ご理解いただきやすいと思います。” (p7)

という構成につき、読み手の私が印象的であった3つの項目を以下に取り上げたいと思います。

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吉田松陰

 全ては自分でやり抜く事

“【現代語訳】何をするにしても自分次第なのであって、人の能力とか、人のお金を頼りにせず、自分でやるということです。

できないという人がいるとしたら、それはできないということではなく、やらないということなのです。” (p26)

中途で援軍であったり、風に乗るような事も事を成し遂げる上で重要な事であると思いますが

初心は、決心した事を自分自身でやり抜く覚悟ですね。原則論的な内容ですが、改めて肝に命じられました。

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志が本物なら、道は開ける

“【現代語訳】自分が立てた志が、ぶれたり、ゆらいだりしなければ、手伝ってくれる人が必ず現れます。

またそうした自分の強い念いに賛同を募るとき、応じない者はいません。

天が味方し、百人、千人、万人もの仲間を応援してくれる人を、得ることができます。何も難しいことではありません。” (p30)

ここから蓬台社長の解釈が加えられ、

“「武士道とは死ぬことと見つけたり」という言葉がある通り、「死」から逆算して本気でやるべきことを全うする心がまえのことです。

ですから、死んでもやり遂げたい!という強い願望こそが、志なのです。

もちろん、今の段階ではそこまでの強い願望がないかもしれません。しかし、あなたに願望があるならば、それを続けていくうちに、生涯かけてもやり遂げたいものが必ず出てきます。

・・中略・・

志のある方というのは、ちゃんとあなたを見ています。その方のあなたの本気の念い、つまり志を応援してくれます。

だからこそ、あなたは諦めずその願望を持ち続け、日々の小さな一歩を大切にしましょう。” (p31)

昨年6月に池松耕次さんのプラチナパスポートを3日間に受講してから、自分の使命(生まれてきた事の意味)について

よく考えるようになった自分としては、その流れに沿うもので、心鼓舞される内容でした。

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善い結果は、善い行いから生まれる

“【現代語訳】善いことを一つ行えば、その善は自分のものとなります。有益なことを行えば、その益は自分のものとなります。

一日の努力は一日の功績となり、一年の努力は一年の功績となります。人を教える人はこう教えて、正しい道に導きましょう。” (p72)

この事について蓬台社長は、

” 「自分をつくるのは習慣である」このように、多くの成功者は言います。

私も、善い習慣を身に付け、良くない習慣を捨てる努力をしている最中です。

そして、最近の私は過去の十年とは全くと言っていいほど違うことに意識を向け、その結果、自分の中で変わったことがいくつもあります。

「善い行い」をすること、それを習慣とすることで、自分自身の心がまえも変わりますし、生きる姿勢さえ変化してきました。” (p72-73)

習慣が人生の質に寄与する点は、自分も教えられ、実感していることで、復習の意味合いもあり、印象に残る記載でした。

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「時を大切にする」

” 【現代語訳】何かをやり遂げるというのは難しいことです。しかも、逃しやすいは時です。

せっかくチャンスが来ているのに逃してしまうと、事をやろうにも時すでに遅しで、成功はおぼつきません。

それ以上に、何もしないでいることは、罪を犯していることと同じなのです。” (p80)

蓬台社長は・・

“「取り戻せないもの、それは『時』である!」”と、東洋の哲学書『言志録』にも書いてあります。

人生には、なすべき「時」というものがあるということです。そのタイミングを逃したら、どんなに悔やんでも、やり直しの利かないことがあるのです。

一刻一刻を惜しむ気持ちを持つ、ということは、なかなか難しいものです。

私は、なすべき「時」は今、この瞬間だと常に思って、「後回しにする」「いつかやる」などという甘い習慣は捨てました。今ここを無駄に過ごしたくはないのです。

自分勝手な今しかできないことではなく、その志で周りがどれだけ幸せになれるかの視点があれば、今がその時なのです。” (p81)

この言及に関連して、先日、修了したビジネスプロトタイピング講座で神田昌典さんが、村上春樹さんの文章(出典及び正確な表現は不明)で同様の事、

 〜 然るべき時に踏み出す人に風は吹くもので、例えその時に上手くいかなかったとしても、また機会は巡ってくる。

但し、踏み出さなかった人たちには、次の機会が巡ってくることはない。〜 

といった事を引用されていて、僅か数日で同じ内容の事を違った表現で耳にする事になり、よく考えさせられる件となりました。

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この時にして、学び巡るもの

本では総計37項目に及び項目の最後には気づきなり、学びを記載するワークが1ページつづ設けられており

読んで、考えて、整理して(書き込んで)という使い方が王道と思います。

蓬台社長が日々実践されている事であったり、経営者としての視点は随所に散りばめられていますが、

ご存知ない方のために象徴的な一文を引用すると・・

” 「言ったことをやらない」ということは、自分の生き方に最も反することになります。

言ったことをやらないぐらいなら死んだほうがまし、と子供の時から思っていました。” (p129)

と覚悟の据わった姿勢が本を読み進めるうち伝わってきます。

私個人で吉田松陰について学ぶ機会がなかった事から、書かれている事の新鮮さであったり、

他者で語られていた事が、(吉田松陰風の)表現として伝わる本質であったり、今一度、根元的な事を平易な表現で学べた思い。

また、「十方よし」経営サミットの主催者である鳥内浩一さんを介して縁を頂いた蓬台社長のフィルターを通じて、

吉田松陰が説いた事を学べた事も、自分にとって必然があったものと意義深く感じた事です。

 


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