大橋秀行会長が明かした井上尚弥選手や世界チャンピオンたちの凄み:『最強モンスター井上尚弥はこうして作った 5人の世界チャンピオンを育てた大橋流マネジメント術』読了

大橋ボクシングジム 大橋秀行会長の『最強モンスター井上尚弥はこうして作った  5人の世界チャンピオンを育てた大橋流マネジメント術』を読了。

本書の発売記念イベントには別件でいけなかったものの

開催翌日「もしや・・」と思い、会場であった紀伊國屋書店新宿本店に立ち寄ったところ

ラッピング上に、小さく「サイン本」のシールが貼付け ^^

狙い通りサイン本を探し当てられていた経緯 ^^

国内屈指のベルト獲得本数

タイトルだけ読むと、一冊丸々、井上尚弥選手についての本かと思いきや

第1章 輝く宝石の光をさらに鋭く・・・「モンスター」マネジメント

 第2章 ジム経営者という「自分」をマネジメントする

 第3章 ボクシングに学んだ普遍的な「人間力」の作り方

 第4章 【川嶋勝重のケース】才能を見つけて伸ばすための「原石」マネジメント

 第5章 【八重樫東のケース】ポテンシャルを引き出して輝かせる「金の卵」マネジメント

 第6章 今の自分を作った原点・・・自分自身を振り返る

という章立てで、世界のボクシングシーンを牽引している井上尚弥 選手について

” こんな選手見たことない。それが井上尚弥でした。”(p29)

” 体に異変があったとしても、負傷箇所にそれ以上の負担をかけないようにしながら、有効にクリンチを使ったりしてフルラウンドの判定に持ち込めば勝てる可能性が高いという試合の流れだったのです。

ところが井上親子は安全策を採らず、一気に勝負をかけるというギャンブルを選択した。そして見事に賭けに勝ってしまったからです。”(p34)

という技量にメンタリティに、

” 最有力候補だったチャンプとのマッチメイクが頓挫した瞬間に、もっと大きなチャンスが目の前に姿を見せた。これをきちんとものにした。

さすがに「モンスター」です。

やはり「持っている」選手だからこそ、4戦目で日本王者、5戦目で東洋太平洋王者、5戦目で世界王者と、次々と記録を塗り替えながらベルトを巻けたと思います。”(p44)

と、天をも味方につけているかの別格さが、多面的に記されています。

その後は、ボクシングジム経営のお話しに、ご自身の現役時代のことに、ジム輩出/所属の世界チャンピオンの回想等。

侮れない言葉が持つ力

井上尚弥選手に限らず、それぞれ世界を獲るには尋常ではない努力が必要なことを痛感させられますが、

そのような中、興味深かかったのは、

” 私に限らずスタッフもピリピリと緊張感が高まっているタイミングで川嶋(註: 勝重)の身に起きた、まさかの「故障」というアクシデント。

自分のみならず周囲の努力まで無にしかねない重大事件です。

私もジム初の世界王者誕生を目前にして気が高ぶっていました。

そして、「お前に世界なんか獲れない!」こんな言葉が、私のノドまで出かかりました。

しかし一方で私は当時、言葉遣いや言葉選びには特に慎重であろうとしていました。それが幸いしました。

先ほどの言葉が頭をよぎった瞬間に一呼吸置くことができた私が川嶋にかけた言葉は、「お前なら世界を獲れる!」でした。

後に川嶋は、「あの会長の言葉があったから励みになった。頑張れた、おかげで世界王者になれました」と感謝してくれましたが、私の心の中は危機一髪でした。

出かかっていた言葉がそのまま投げつけられていたら、おそらく川嶋は負けていたでしょう。ジム初の世界王者は誕生せず、もしかしたら今にいたるまで世界王者が輩出できないままでいた可能性もあります。”(p131)

と、普段、何気なく使っている言葉の重要性について分かっていたつもりも、改めてそのことを再確認させられました。

購入した本に書かれていた大橋秀行会長のサイン

井上尚弥選手や世界チャンピオンから我々が学べること

ボクシングファンならずとも注目を浴びている井上尚弥選手が前面に出ていて興味深い裏話しなども記載されていますが、

技術論は極わずかで、上述の言葉の話しなど、立場関係なく誰が読んでも参考になる話しが簡潔に記されていて、井上尚弥選手を知るきっかけにもなれば、日々の生活に汎用性ある内容も含まれている著書です。


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