作家 百田尚樹さんとジャーナリスト 有本香さんの共著『「日本国紀」の天皇論』を読了。
お二人の共著といえば、
年初に読んでいた ⬇︎
がありましたが、本書は
” 私は『日本国紀』(幻冬舎)を執筆中、日本という国のことを考え続けました。私たちの国はどうしてできたのだろう。
国の形はどういうものだろう。国の核はどこにあるのだろう。そして人々を支えているものはなんだろう、と。
古代から現代までの歴史をめぐる旅を終えた時、見えてきたものがありました。それは日本という国は、天皇を中心とする家族のような国家だったということです。”(p4)
という百田尚樹さん執筆の「まえがき」に始まり、刊行に至った背景を有本香さんが
” しかし実は、『日本国紀』の最大のテーマであった「天皇」については語らずじまい。なぜなら、それはあまりにも大きく重く、かつ深いテーマだからでした。”(p254)
と「あとがき」で述べられており、その「あまりにも大きく重く、かつ深いテーマ」に果敢に斬り込まれた著書。
天皇陛下と日本、日本人
本編は、主にお二人の対談によって進行していきます。内容の一部を抜き出すと、
ウイグルの母と言われるラビア・カーディルさんに、有本香さんが、
“「あなたにとって天皇とはどういう存在か」と。”(p191)
と問われ
“「たとえば、日本が仮に中国から侵略されたとしましょう。東京も含めて多くの都市が抑圧されて、小さな島一つしか残らなかったとします。
そして、生き残った日本人が逃げることを余儀なくされたとします。
でもその小さな島一つ、そこに天皇陛下さえ残っていらしたなら、日本人はそこから立ち上がって反撃し、中国を撃退して、何十年かかっても再び世界一の国をつくることができると思います。
天皇陛下とはそういう存在です」”(p192-193)
或いは
“(有本)たとえば、子供たちに外国語を教える。あるいは外国の事情、文化を学ばせるとします。
それと同時に、それらにとってあなたは「他者」なのだということを認識させるのが教育でしょう。
彼我の違いを教える、といいますか・・・。
百田 そのためには自分を知ることが必要ですね。自分は「天皇を中心とした国に生まれたのだ」と知らなければ「他者」を理解できません。”(p195)
と、問いが我々の根源的な次元に迫られてきます。
今、この時期だからこそ
五月一日から始まった新元号「令和」に、十月二十二日 即位礼正殿の儀、十一月十日 祝賀御礼の儀、十一月十四〜十八日 大嘗祭と、
一連の行事で日頃より身近に感じられた天皇陛下(をはじめとする皇室)について、
序章 日本にとって「天皇」とは何か
第1章 天皇の権威と万世一系
第2章 万世一系のすごさ
第3章 歴代天皇の大御心
第4章 消された絆
第5章 天皇を教えない教科書
第6章 令和の国体論
第7章 聖域と祈り
との章立てに沿って、さまざまな斬り口から日本について、日本人であることについて考えさせられるきっかけを得る内容でした、