百田尚樹さんの小説では引退作となる『夏の騎士』を読了.-
東野圭吾さんに宮部みゆきさんに、更には直木賞&芥川賞受賞作発表など
例がないほど話題作が書店の新刊コーナーに並ぶ中、
抜き出た売れ行きとなっているようで、百田尚樹さんご自身の並々ならぬ思い入れに自信などから楽しみにしていた新作。
百田尚樹版 スタンド・バイ・ミー
百田尚樹さんに寄せられる感想の中で、「(250ページ)一気に読んだ」との声が目立つところ
私自身も、前日にさわりを読んだ翌日に移動時間を取れたことから一気にエンディングまで。
” ぼくは陽介と健太を前にしておごそかに言った。「三人で騎士団を作ろう」
・・中略・・
騎士団を作りたかった本当の理由は、そうすれば勇敢な男になれるかもしれないと思ったからだが、(以下省略)”(p10-11)
という、主人公が『アーサー王の物語』にヒントを得て結成した騎士団を軸に展開される小六の少年たちのひと夏の物語。
百田作品史上最高のマドンナが登場するとのことで「(それって)この人かぁ」と思っていたところ・・
途中で見事覆され ^^; 少年団が地域で起きた未解決の殺人事件の犯人捜しを行うという
スリリングな展開から導かれるエンディング。
誰しも心に眠らせる夏休みの思い出
とかく「すっきりさせてくれる」という爽やかな読後感が話題ですが、
多くの人が心の中に眠らせている小学生時代の夏(休み)の思い出が正攻法で力強く描かれており、
特に暑くなり始めた夏休み期に読むことで、(小学生であった)その頃にタイムマシンさせてくれるような爽快作でした。