今週3冊目となる池井戸潤さんの半沢直樹シリーズ『半沢直樹3 ロスジェネの逆襲』を読了。
舞台はこれまでの東京中央銀行から半沢直樹は系列証券の東京セントラル証券へ出向となり、そこに持ち込まれた買収案件が、
“「企業買収の情報を察知した証券営業部がメーンバンクの立場を利用して、電脳の社長にアドバイザーをウチに乗り換えるよう説得した話だ」”(p47)
と、よもやの形で親会社と言える東京中央銀行に召し上げられ、蠢く謀略に、露呈した不自然さから次第に描かれていく逆転の構図。
絡み、もつれる職場感情
そこにはプロパー社員と幅を利かせる銀行からの出向組みとの軋轢に、
“「証券子会社が親の銀行に真っ向から戦いを挑む。そんなおもしろいことを考える人間は、私の知る限り半沢さんしかいません。”(p309)
と、「読んでいて、ひょっとして(そうかな)・・」との思いは過ぎったものの掟破りの図式に、
また、
” 全ての働く人は、自分を必要とされる場所にいて、そこで活躍するのが一番幸せなんだ。会社の大小なんて関係がない。知名度も。オレたちが追求すべきは看板じゃなく、中味だ」”(p272)
に
” オレがいう勝ち組は、大企業のサラリーマンのことじゃない。自分の仕事にプライドを持っている奴のことだけどさ」”(p384)
といった半沢語録も飛び出し、文芸評論家 村上貴史さんによる「解説」で
” シリーズ最高の躍動感で読者を愉しませてくれる。”(p453)
とある通り、
本編は451ページとシリーズ最長でしたが、次の展開の気になり度合いは前二作を上回っていたように感じ、ストーリーを堪能。
続編(『半沢直樹 アルルカンと道化師』)はあるように承知していますが、とりあえずシリーズが次の『半沢直樹4 銀翼のイカロス』で一区切りしまうことに、読み始め前から既に名残惜しさ、のような感覚を ^〜^;A