池井戸潤さんの半沢直樹シリーズ4作目、『半沢直樹4 銀翼のイカロス』を読了。
前作舞台の出向先から東京中央銀行へ戻った半沢直樹に頭取肝入りで、再建計画が急務な航空会社の対応策を託され、
そこに政権交代を果たした与党に、再建屋から脱却を図り名を挙げたい弁護士の思惑に、
合併に際し閉ざされた銀行の不正融資に、幼少期の人間関係(いじめ)等が絡み、
“「帝国航空は破綻する。もちろん、我々の債権の大部分は、回収不能になるだろう。当行の業績、並びに財務への打撃は深刻だ」”(p15)
と勤務先(銀行)が陥った窮地を半沢直樹が如何にして救っていくか・・ というストーリー。
” 帝国航空の再建というより、前政権の完全否定なのではないか。それによって進政党の優位性、憲民党と違いを国民にアピールする。ただそれだけのために、有識者会議と修正再建プランを葬り去ろうとしたのではないか。だとすれば、帝国航空を政治の道具に使う等しい行為だ。”(p48)
といった政権交代が絡んだ思惑に、
” 必ずナショナルフラッグキャリアは戻ってくるとオレは信じてる」”(p431)
更に
” 「帝国航空のライバルである大日本空輸では、」”(p67)
といった表現からJALの再建劇に、民主党政権期などのことが下敷きにされたものなのかと想像力及ばされましたが、
(各作)設定は異なれども起承転結の展開はもはや安心の領域で、多分に半沢直樹の立場に肩入れしながら読書中のアップダウンからラスト十分溜飲を下げられ、納得の読後感を得ることが出来ました ^^
ブームから周回遅れで浸った半沢直樹の世界観
ということで、当初は ↓
(一気に四作読む場合)ゴールデンウィーク目一杯かかるような想定でいましたが、実際は
『半沢直樹2 オレたち花のバブル組』を一日で読み切るなど↙️
後半初日(=10日ほど)で4作読み終えることとなり、
TVドラマと原作の違いはありますが、今更ながらに半沢直樹の世界にどっぷり浸かり、その好評ぶりに素直に頷ける一連の読書機会となりました。