池井戸潤さんの『ハヤブサ消防団』を読了。発売当初見送っていたサイン本が
ドラマ化にあたり、再び書店にサイン本が並んだ機会を捉え入手していた一冊。
田舎町、限られる人間関係の中で・・
本書は華々しく文壇にデビューしたミステリー作家が、父の葬儀後、かつて祖父母が暮らしていた空き家となった家を訪れ、
“「この家こそ、オレが住むべき場所じゃないのか」
この土地こそが、いまのオレが必要としている場所だ。立ち返るべき原点なのだ、と。”(p015)
と目を見開かされ、舞台となる「ハヤブサ」に転居。その後、程なく・・
” このハヤブサ地区は、どうやら太郎が信じていたような長閑で平和な場所ではないのかも知れない。
平穏な景色の裏に潜む悪意に気づき、太郎はひたすら戦慄しないではいられなかった。”(p048)
と、連続放火が進行中である現実を知らしめられ、田舎町で限られた人間関係の中で疑心暗鬼が行き交う状況となり、やがて自身にも危機が迫り来る中、展開されていく真相究明・・
全474ページの長編(池井戸潤作品では普通か)で、読み始め前は及び腰にさせられつつ、ストーリーの進行につれピッチを上げられていったのは、さすが稀代のストーリーテラー。
また、ミステリーというところが「先へ先へ・・ 」の思いを強くさせられ ^^ 既述のとおり、映像化されたそちらも興味を拡げられた次第。