『ビジネスモデルの教科書』を読み始めて、半分くらいのところまできたので、中途での振り返り。
『ビジネスの教科書』の目的
冒頭「はじめに」に、本書の目的との記載があり
” 読者に経営戦略を策定する能力を策定する能力やセンスを高めていただくことにあります。”
” 「誰に」「何を」売るのかという顧客と提供価値の選択だけでなく、戦略を支える経営資源や使い方などの仕組みを包括した「ビジネスモデル」に注目します。
というのも、強い戦略があればビジネスで成功するというわけではないからです。その戦略を支える仕組みも含めて事業体として強いビジネスが成功するのであり、
ビジネスモデルが理解出来ていないと、競合の狙いや強みも理解できないからです。” (1%/百分率は紙の本でいうところのページ数に相当/以下同様)
以前、戦略に関する本(『「戦略」大全』)を読み
>> マックス・マキューンが『戦略大全』が誘(いざな)う、人生に戦略を <<
>> マックス・マキューンが放つ「戦略」の世界は 24の戦略原則 に 28の戦略ツールキット:『「戦略」大全』読了 <<
戦略が網羅された感の内容に読み応えを感じましたが、
本書で感じた事も世の中にどのようなビジネスモデルが存在して、どの企業で、どのような意図で採用されたが明瞭である事。
「ビジネスモデル」って、いくつある?
今まで読んだところの「ビジネスモデル」は・・
#01 地域ドミナント
#02 クリームスキミング
#03 特定市場の支配
#04 グルーバル化
#05 顧客ライフマネジメント
#06 顧客の購買代理
#07 プラットフォーム
#08 ソリューション
#09 同質化
#10 アンバンドリング
#11 デファクトスタンダード
#12 ブルーオーシャン
#13 レーザーブレード
#14 フリー
とこのような。目次で確認すると、更に17で計31のビジネスモデルが紹介されています。
「グローバル化」と一口に言うけれども・・
例えば「グローバル化」について、人口減少局面を迎えた日本市場から成長が見込める海外市場で事業拡大を狙う程度の事は、一般的に説明出来る事と思いますが
本書での紹介のされ方は・・
” トヨタ自動車、スズキ、コマツ、パナソニック、日立建機、エースコック、他 ” (20%)
で、採用されているビジネスモデルで
上記の表現は
” グローバル化とは、現在の日本国内における提供価値(製品・サービス)を海外、特に新興国において提供・販売し、
それと並行してビジネスシステムをグローバルに最適配置するビジネスモデルです。
先進国においては人口が伸びず、多くの産業でプロダクトライフサイクルの後半の停滞を経験する一方、
新興国では所得の上昇とともに市場が形成され、成長が始まっています。
そのため、日本など先進国における強みを新興国に移植して売上を増加させ、継続的な成長を目指します。
また、規模を達成し、業務活動や経営資源などのビジネスシステムをグローバルで最適配置する結果、
会社全体として有利な費用構造を持てるようになり、世界市場における競争力を維持・強化できます。”
と見事に表面的な事から背景まで見事に言語化。また、背景については・・
” グローバル化の前提となる環境側の要因は、主に2つあります。
1つ目の要因は先進国での市場形成の終焉と成長の始まりです。この市場の地理的な歪みを捉え、自社も新興国に拡大しないと成長ができなくなってしまうのです。
もう1つの要因は、国境という今まで市場を隔てていた境界の消滅です。従来国境が企業がのビジネスシステムを分断する界面として機能していたものが、
通信や物流、関税障壁の撤廃によって境界としての役割を果たさなくなり、グローバルで意味のある規模を達成し機能を最適配置しないと、これを達成した企業に敗れてしまうのです。” (21%)
とグローバル化を強いられる時代的背景などからも切り込まれ、重層的理解を手助けしてくれます。
本では更に
” 競合がグローバル市場において自社に先がけてシェアを確立してしまうと後発的にグローバル化しにくくなり、
その結果グローバル最適のビジネスシステムを作り上げられず、結果的に敗退することになります。
したがって、グローバル化は多くの企業にとって成長機会であるだけではなく、待ったなしで取り組むべき防衛策でもあるのです。” (21%)
等の深い分析が成されていますが、本書の価値はビジネスモデルが導入例と共に網羅的に紹介されているところですね。
Editor’s Note
電子書籍、タイトルも充実していて、だいぶ扱いに慣れて来た感じも今回の本は横書き。
キー・センテンスにぴったりにラインを引こうとすると、しばし難儀。これも慣れでしょうかな・・