インパルス板倉俊之さんのエッセイ集『屋上とライフル』を読了。
(2023年)8月に開催された
発売記念イベントで入手していたタイトル。
掲載されているエッセイは
” その日も僕は、塾の帰りにパン屋さんに立ち寄った。トレーに原宿ドッグを一つだけ載せて、レジカウンターに向かった。そこにトレーを置き、ポケットから100円玉を取り出す。
「103円です」
レジのお姉さんが言った。
何だ、この変な数字は・・・? 僕は混乱しながら、レジの金額表示板を見た。やはり、「103」という数字が光っている。”(p27-28)
と若かりし日の思い出(/受けた衝撃)や
” ではなぜ、わざわざ「ちょっと」を加えてしまう人がいるのだろうか?
その心理について考察してみれば、答えはすぐに見つかる。
相手の発言が自分の感性の中枢には届いていないと暗に示すことで、くだらないプライドを守っているのだ。”(p76)
など日常で多数の人が無意識的に受け容れてしまっていることへの切り込みなど39篇。
最初は展開に馴染みづらい感じを抱きながらも、次第にその世界観に親和するようになり、
” 一時間近くパソコンの画面を睨みつけ、ようやく良さそうな旅館を見つけた。
露天ではないものの温泉もあるようだし、僕の好物でもある、うなぎを出してくれるらしかった。しかも天然の!
宿のホームページには、60歳前後と思われる女将が抹茶を点てる姿が載っていて、「女将は人の良いところを見つける名人」と記されていた。
占いとはちょっと違うが、それも楽しみの一つになった。”(p128)
と趣味のサバゲー(サバイバルゲーム)で訪れた地近く宿泊先の女将から受けたよもやの洗礼!?に、
最後、タイトルにもなった「屋上とライフル」での
” メガネをかけたおじさんの視線は、僕と、自立するライフルを素早く往復している。「本当に、屋上にはスナイパーがいたんだ!」その表情には、明確に物語っていた。”(p229-230)
なる誤解から繰り広げられた心理戦?に、ページが進むほど板倉俊之さんの世界観に引き込まれていきました ^^