前回 ⤵︎ に続いて『英雄の書』の読了記第3弾.-
「世界観の創り方」の続きです。
直感力の鍛え方
” 孤高の時間を持ち、独自の世界観を創る脳に変えたら、次は直感力。
直感力を鍛えるためには、右左脳連携信号を、とっさに強く行うエクササイズが大事だ。
それは、右脳のイメージ領域にあるものを、左脳の顕在意識に持ってきて恣意的な出力に変えること。
その最たる訓練が、ダンスやスポーツ、芸術や「術」「道」と呼ばれるものを嗜むこと。
もう一つ、徹底した「他人思い」の癖をつけることだ。
・・中略・・
西洋の支配階級の男たちがダンスを嗜み、日本の武士が書道や茶道を嗜んだのも、明日の戦場での直感力をチャージするための大事な脳のエクササイズだったに違いない。
・・中略・・
イメージをかたちにするのが主意で、さらに、相手や対象から返ってくる情報を盛り込んで、時々刻々出力を変えていく行為であること。
こういう趣味を、暮らしの中に持っておこう。知らず知らずのうちに、直感力が鍛えられる。
それと、これらの趣味をしている間は、少なくともSNSや、仕事のしがらみから脳が自由になる。
自然に「孤高」の時間を担保することにもつながるので、ぜひ。”(p80-83)
本の中ではテニス、ゴルフ、ビリヤード、バイク、自転車競技、チェス、囲碁将棋、音楽(楽器演奏、声楽)、アート、料理、庭造り、畑仕事なども、直感力が鍛えられるエクササイズとして推奨されています。
「他人を気遣う力」が持つとてつもない力
なお、「他人思い」に関しては・・
” ヒトは、自らを滅して、徹底して他人を思うとき、右左脳連携が激しくなる。他人の思いや事業をイメージ化し、顕在意識につなげる体。
ビジネスに関して言えば、顧客の気持ちになりきったその瞬間に、使える直感が降りてくることも多い。”(p84)
ここでポイントなのは、他人思いと、他人の思惑を気にすることの違い。
” 「他人の思惑を気にする人」は、結局のところ、ただの「自分思い」なのだ。・・中略・・
徹底した他人思いの人たちは、人の評価には飄々としている。顧客が満足してくれればそれが達成感であって、自分へのちやほやが目的じゃないから。
人に叱られたら、顧客の不満と真摯に向かい合うだけだ。徹底した他人思いの人たちは、だから、タフなのだ。
人に叱られても、それは「仕事」を叱られたのであって、「自分」を否定されたわけじゃない。「まだまだだな」と反省すればいいだけのこと。
・・中略・・
何度も言うが、他人の思惑にからめとられてはいけない。他人にどう思われるかを気にすることは、英雄の人生には、ほとんど意味がない。
他人に何をしてあげられるかだけを考えればいい。あるいは、自分が何をしたいのか、だけを。
・・中略・・
自分思いの排除(徹底した他人思い)が、直感を鋭くする。自分思いが止められたら、後は直感に従えばいい。
・・中略・・
もう一つ、ヒントをあげよう。・・中略・・
「自分思い」から離れるのに、一気に「他人思い」になれと言うのも、無茶な話かもしれない。
どうしてもそうなれない場合は、まずは「たまらなく好きなもの」を持つのも、一つの手だ。
大袈裟なことでなく、ささいなことでいい。
脳の中に、自分よりも大きな存在、興味の対象なるものができたとき、人は、自然に、自分思い=他人の思惑の罠から抜けられる。
その「たまらなく好きなもの」が、人に容易に理解できないいものなら、なおいい。
自我の境界がはっきりしない人が「自分」を意識するのは難しいけれど、「私が好きなもの」を基軸に、
他人と自分との違いを知るようになれば、自然と自我の境界ができるからね。
脳の中に、その仕組みを作るのが大事なので、どんなささいなことでも効果があるのだ。
・・中略・・
なお、そう好きでもないものに、テキトーなところで手を打っていると、「好きでたまらないもの」を探すセンサーが鈍ってしまう。
寂しいからと言って、テキトーな友達や恋人を見繕っちゃダメ。
面倒くさいからと言って、テキトーに買い食いしてすましていると、いつまでたっても「好きでたまらないもの」は見つからない。
人生を、なめちゃいけない。こういう日常のささいなことで脳は作られ、その同じ脳で、大きな勝負に耐えなければならないのだからね。
他人の思惑に流されちゃいけない。自分を見つけなさい。
そのためには、孤高の時間を持ち、右左脳連携エクササイズの趣味を持ち、徹底した他人思いになり、好きでたまらないものを見つける。
それができたら、自然に、他の誰よりもすごい、唯一無二のきみができ上がる。
そんなに考えなくても、誰にも言えないことばが言え、誰にもできない足跡を残すことになる。
きみがいる場所で、きみは多くの感動を生むだろう。
本当よ。脳の回路構成上、どうしたってそうならざるを得ないのだ。
嘘だと思ったら、試してみてください。後悔はけっしてさせない。”(p84-91)
脳は些細なことで創られる(神は細部に宿る)
本では、Steve Jobs:スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学でのスピーチなども引用され、
スティーブ・ジョブズ スタンフォード大学卒業式辞
より詳しく上述のプロセス、効果が説かれています。
些細なことでも安易に答えを出さず、しっかり自分の内なる声に耳を傾け答えを出すこと。
徹底することは簡単ではありませんが、効果のほどは
” 脳の回路構成上、どうしたってそうならざるを得ないのだ。”
と言われれば、心鼓舞され、実践しない手はないように感じますよねー
来週以降、もう1トピック紹介して、本書の紹介を終了したく考えています。