石田章洋さんが明かす、誰でもおもしろい話ができる伝え方の公式:『おもしろい伝え方の公式』読了

前日、刊行記念のトークショーに参加した

<< 2017年2月11日投稿:画像は記事にリンク >> 放送作家 石田章洋さん X 六代目 三遊亭円楽師匠登壇『おもしろい伝え方の公式』刊行記念トークショー 参加記

放送作家 石田章洋さんの『おもしろい伝え方の公式』を読了。

(上記)イベント対象書籍ということで購入した一冊で、いざ読み始めようかという段階で、235ページに及ぶ厚みに一瞬及び腰となったものの・・

読み始めたら為になることが簡潔に書かれていて、サクッサクッといった感じで読了に至りました。

本書は、石田章洋さんが落語家から放送作家に転身された経緯で、

” 「どうして、この人の話はおもしろいのだろう」、「なぜ、あの人の話はウケるのだろう」と考え続け、

身の周りにいる「なぜか話がおもしろい人」の話し方も、注意深く観察してきました。

また、古今東西の「笑い」について書かれた本を読み漁りました。

その結果気がついたのが、「誰でもおもしろい話ができる伝え方の公式」が存在するということです。”(p6)

と、(センスがなくても)笑いが起こる公式を見出され、実例や証言などを通じて公式が明かされている一冊。

刊行記念トークショー時のディスプレイ(八重洲ブックセンター)

コミュニケーションの大原則と笑いが起こる仕組み

本の序盤は、まず

“「空気を読む」こと。これこそがあらゆるコミュニケーションの基本中の基本です。”(p54)

というコミュニケーションの大原則に始まり、留意すべき点は簡潔に指摘されています。

印象的であったのは、以下の「笑い」が定義されている部分。

” 「人はなぜ笑うのか?」

このシンプルだけど根源的な疑問について、古今東西の哲学者が考え続け、さまざまな理論を発表してきました。

その中で、私がもっとも納得できたのは、・・中略・・ 「浪速の爆笑王」と呼ばれながら1999年に59歳の若さで他界した落語家、二代目桂枝雀師匠の言葉です。

桂枝雀師匠が唯一の笑いの原則としたもの、それこそが「緊張の緩和」の理論です。それを、桂枝雀師匠は「緊緩(キンカン)の法則」と名付けました。

この理論は、いたってシンプル。人は緊張が緩和された時に笑うのです。”(p84〜85)

因みに明石家さんまさんも「人を笑わせるのが苦手」と話した日本テレビの桝太一アナウンサーに

” 「笑いに教科書なんてないですからね。突きつめれば、「緊張の緩和」だけなんです、笑いなんて。緊張させて緩和させるだけなんです」”(p86)

とアドバイスされたそうな。

本では「キンカンの法則」が実名(小池百合子東京都知事、ソフトバンクグループを率いる孫正義さんetc)に実例入りで、丁寧に説明されており、腹落ちさせてくれます。

本書の目次(一部)、実践例が多いのが特徴

話を映像化する効用

また、石田章洋さんの質問に答える形で(六代目)三遊亭円楽師匠がトークショーで語られていた通り、

話しを映像化することの重要性についても説かれており、

” 短い話なら、場の空気を読んで、「キンカンの法則」を使って話せば、ある程度の笑いはとれるでしょう。

ですがやや長めの話、たとえば身の周りで起きたおもしろい出来事を人に話す時などは、伝えるテクニックも必要になってきます。

・・中略・・

伝え方のコツもたったひとつだけ、それはずばり相手の頭の中に映像が浮かぶように話すことです。

話を映像化すれば同じネタでも2倍、おもしろくなりますよ。”(p148)

という前段をもとに、映像化についてもページ数を割いて説明がなされています。

「笑い」を起こす実践の書

ボリュームがある分、一読しただけで全てを消化することは難しいですが、

心得るべきポイントが、空気を読む、キンカンの法則、映像化と端的に整理されていて、

それぞれに、腹落ちさせられる文章が添えられていますので、すっきりした読後感を与えられ、

日常生活の中で「ちょっと試してみようかな〜」と、その気にさせられる一冊です。

 


Comments

comments