ノンフィクションライター 石戸諭さんの『ルポ 百田尚樹現象 愛国ポピュリズムの現在地』を読み始めて
第一部 2019 モンスターの現在地
第一章 ヒーローかベテン師か
第二章 彼らたちの0
第三章 敵を知れ
第四章 憤りの申し子
第五章 破壊の源流
第二部 1996 時代の転換点
第一章 「自虐史観」の誕生
第二章 転身 ー 藤岡信勝と教師たちの「当事者運動」
第三章 ポピュラリティ ー 小林よしのりを貫くもの
第四章 「一匹」の言葉 ー 西尾幹二とその時代
第五章 分水嶺 ー 『戦争論』が残したもの
と章立て(別途:序章、終章等)されているうちの第一部を読み終えたので、そこまでのおさらい。
気づけば百田尚樹さんに引き込まれていた
ぷら〜っと書店に立ち寄った際、最後の一冊と思われたサイン本を見つけ、
その巡り合わせに反応していた経緯。
内容的にも、振り返ってみれば新刊が出る旅に高い確率で購入するようになっていたり、
「虎ノ門ニュース」の視聴であったり、自分自身の中で百田尚樹さんの影響力が及ぶ範囲内にいて、本で書かれてあるであろう考察に興味があって(=購入)。
全体を捉えるにはバックグラウンド理解の前提であったり、文が難解に感じられた箇所もあり、
中、後半で理解度を高めていけるものと考えています。
百田尚樹人気、そして『日本国紀』
本書は
” 10代の「私」に対する2020年からのアンサーという意味合いがある。現在の「反日」と「愛国」の中心には何があるのか、そして潮流に90年代の「自虐史観」とは何かを、中心を担ったキーパーソンへの直接取材から解き明かすものだ。”(p13)
と、序章で石戸諭さんの命題が掲げられ、
百田尚樹さんが時代の支持を得ている一因に
“「百田尚樹さんは物事をズバッと言い切っているところを尊敬していますね。えっそんなことを言っても大丈夫なのというようなことも、人目を気にせず語っている。そこが、スカッとして気持ちいい」”(p21)
と、出版記念サイン会に参加した方の声などをもとに、
” 大事なのは、発言の中身もさることながら、「語り口」でありスタイルだ。”(p21)
なる分析に
” 僕は歴史で大切なのは解釈だと思っています。事実は曲げられませんから、事実に基づき、史料と史料の間を想像力で埋めて書いたのが、僕の解釈による通史です。”(p80)
賛否両論くっきり分かれた百田尚樹さんの『日本国紀』を上梓されるにあたっての立ち位置に、
(『日本国紀』を)出版した立場(幻冬舎代表)見城徹さんの
“『日本国紀』は百田尚樹という作家の作品であり、百田史観による通史だ。百田尚樹という作家が、日本という国の歴史をこう捉えたということ。
これが遙かに大事なんだよ、まさに叙事詩だ。彼は歴史家じゃなくて作家。
作家によって、新しい日本の通史が書かれているという興奮のほうが大きい。俺は百田尚樹がどんな政治信条の持ち主でも出しましたよ」”(p78-79)
という解釈等から自分の認識を書き換えられたり、思い入れ(思い込み)が別視点、客観視されるような感覚から節々で展開される要点を興味深く読み込めています。
今のところ結論の予想に至っていませんが、あまり先入観を抱くことなく読了に至れればと、
最終頁に到達して得られた心情は数日内に改めて。