先週、読み始め記 ⬇︎
をアップロードした、伊東潤さんの『もっこすの城 熊本城築城始末』を読了。
加藤清正に尽くした恩義
話しのハイライトとして、
“「この城を ー、この『もっこすの城』を築くのだ」”(p379)
と、タイトルにもある通り熊本城築城が本書の主人公 木村藤九郎秀範の創意工夫があったからこその我々が知る姿に築き上げられていったこと分かりますが、
話し全体で通底しているのは、
“「城は戦うためにあらず、民を守るためにある」”(p243)
という父や加藤清正の考えに沿って、父から城取りを継いだ木村藤九郎秀範が
*城取り ー 城を取り立てる際の選地から経始(縄張りと事前準備)、さらに実際の普請(土木工事)と作事(建築工事)全般を指揮する統括者(p12)
工期の大幅短縮など無理難題を強いられながらも、
” いかなる無理難題を申し付けられても、いかなる厄介事(難問)が立ちはだかっても、城取りは設けられた期限までに城を築かねばならぬ。言い訳もできないし、他責にもできない。石の切り出しが遅れても、大工の頭数がそろわなくても、すべては城取りの責になる。”(p274)
との立場/矜持から、自分を抜擢してくれた加藤清正の恩に報いるべく、健気に一つ一つの考えを具現化していった仕事人の物語。
次、また熊本城を目の当たりにした際には「(本作で描かれた)加藤清正と木村藤九郎秀範の絆に思いを馳せることになるのだろうなぁ」と、知られざる熊本城築城物語に至る先人たちの心通う内容に大いに心震わされました。