先週末、読み始め記↓をアップロードした
音楽評論家 伊藤政則さんの『伊藤政則の”遺言” 3』を読了。
METALLICAが来日出来ないワケ
その(読み始め記)後、読み進めた
第3章 1989年、モスクワ
第4章 METALLICAが来ない理由
第5章 過小評価されたRUSH
第6章 黎明期のフェス
第7章 VAN HALEN初来日の真実
には、自分が実際会場に足を運んだ
に、
といった回が含まれ、またオンライン開催となった
を含め、「第3章 1989 年、モスクワ」「第5章 過小評価されたRUSH」「第6章 黎明期のフェス」「第7章 VAN HALEN初来日の真実」は参加回となり、主に復習といった形式に。
印象に残ったところでは、
海外と日本とで人気の差が著しい好例のRUSHを引用しての
” 伊藤:まず・・・ 言っちゃなんだけど、ロック・ファンの人口が少ないということですよ。そうだと思う。
欧米に比べてロックを聴いてる人が非常に少ない。欧米の人はロックというのは身近な存在で、歳を取ってからも聴くけど・・・。
ある方からよく来るメールの中身なんだけど、久しぶりに友達と会った、と。40代後半。
「お前、最近どうしてるの?」という言うと「子供が出来て云々」「お前は?」と訊かれるから「こないだ○○のコンサートに行ったんだよね」と言ったら「えっ!? お前まだコンサートなんて行ってんの!?」と。
つまり、家庭のこととか色々あると「卒業」しちゃうという・・・。”(p162)
こういったことが、
” 広瀬:日本の音楽マーケットは今、完全に邦楽がメインになってますけど、海外の人からすると、邦楽と洋楽の区分が判らないと思うんですよね。
80年代から90年代に掛けては洋楽もそれなりに勢いがあったけれども、今はこんなにも規模が縮小してしまっているんだということを説明しなければいけない。”(p123)
という海外との乖離を生み、
” マネージャーのピーター・メンチが何年か前に、日本を跳ばして韓国とかアジア公演をやることになった時、ある日本の関係者に言ったと言われてるんだけど、「もう日本は無理だ」と。「行かなくていい」と。
もしMETALLICAが日本に行くんだったら、バジェット(予算)の一番大きいところ・・・例えばこれはフェスのことを指すんだよ。「FUJI ROCK」とか「SUMMER SONIC」とか。
フェスに入ってごっそりギャラを持っていく。これしか日本に行く道はないんじゃないか、とピーター・メンチがある会議で言ったというんだよ。”(p120)
との評価は衝撃的で、今一度、日本を取り巻くロック界の現状から今後に目をやると、コロナ禍で更にライヴビジネス環境が悪化してしまったことから「よりコンサートに行く日常/選択肢が狭められてしまうことになるのかなぁ、、」と。
最大の読みどころ
また、唯一の大阪開催でも飛び出していた
” 広瀬:今日は質問も色々いただいていますので、幾つか。まず「ジョン・サイクスの新譜はいつ発売になるんですか?」
伊藤:これね・・・ ジョンってレイジーなんだって。つまり、のんびりしてる。そういうミュージシャンは多いけど、ジョン・サイクスは相当ですよ。”(p148-149)
John Sykes:ジョン・サイクス話しに、
“HALL & OATESの公演がキャンセルになって会場が空いたから、話題の新人のVAN HALENにした。
ところが即日完売になって追加公演をするわけだよ。よく調べてくださいよ、何回公演をやったのか。ビックリだよ。
東京厚生年金会館が2回、中野サンプラザが2回。そのクラスの会場でも、1回ずつだったら『MUSIC LIFE』とか『音楽専科』とかラジオだとかのメディアのサポートがなくても、ファンの口コミだけで埋まっただろうけど、2回ずつの東京4公演が完売。
これがVAN HALENの初来日であり、ハード・ロック・ファンの口コミがどれだけ強いかを証明した事件だったんだよね。”(p255-257)
と、最終章でフィーチャーされたVAN HALENと、
好きなアーティストに言及されているパートは、やはり最大の読みどころになってきました ^^
最新の掲載回の開催日が2020年12月21日。その後の開催は、2021年7月=1章分にとどまることから
『遺言 4』となると随分と先のことになりますが、その間の実開催にその累積での刊行と、語られるロック史に今後も期待です。