伊藤政則さんが紐解いたコロナ後のロックシーンと日本国内事情:『伊藤政則の”遺言” 4』読了

音楽評論家 伊藤政則さんのシリーズ化されているトークイベントが書籍化された『伊藤政則の”遺言”4』を先週末に読了。

サイン本入荷機会に反応して

出典:紀伊國屋書店 新宿本店 X (画像は Post にリンク)*一部加工

購入していた著書。

前作  << 2021年10月7日投稿:画像は記事にリンク >> 伊藤政則さんが振り返ったロックの現場体験史と危ぶまれるこれから:『伊藤政則の”遺言” 3』読了

今回収録されているのは、2021年7月13日(「第1章 考察:2021年」)〜2023年3月27日(「第7章 興行事情の最前線」)開催の計7回。

実際に(オンライン)視聴していた回も含まれ、

<< 2023年4月8日投稿:画像は記事にリンク >> 伊藤政則さんが読み解いたMEGADETH武道館公演、LOUDPARK開催への舞台裏と当世チケット代事情:伊藤政則 の『遺言』オンライン・スペシャル8 視聴記

その分は復習的な意味合いとなりましたが、それら込みで興味深かった箇所を以下に転記すると・・

” 何年か前から感じていたことだけど、真ん中がなくなっているんだよ。つまり、日本のプロモーターは、働いている人数から逆算すると、出来る年間の興行の数はだいたい決まる。

それと、コンサートをやるべき会場の数。そうやって考えると、真ん中が今後もっとなくなっていくんだよ。

今はプロモーターが全部をやり切れない。つまり、オファーがあっても、優先すべきは大物からで、身体が空かない。そうなってくると、呼べないアーティストがいっぱい出てくる。

これで困っているのは、意外に海外のアーティストだろうなと思っている。”(p207)

に、

” そしてコロナ以前と以降で変わったことは、洋楽の人員が随分削られたってこと。つまり、使える人間はどんどんカットされて邦楽に回されて、人数が少なくなってるから出来ないので日本盤を出さない・・・ “(p192)

といった日本国内の業界事情に、

” Live Nationのような全世界の興行を持っているところは、最初にトップが「このツアーを200億で買います」「300億で買います」って全部買うわけだよね。それを各国のブランチのLive Nationに振り分けていく。だから値段は最初からある程度決まってるんだよね。そういう興行が増えていくんだよ。”(p210-211)

と昨今高止まり傾向のチケット代の背景といったところ。

購入本に書かれていたサイン&貼り付けられていたシール

自分が日ごろ傾倒している分野の舞台裏に踏み込んだ内容には、やはり興味深く向き合わされました〜


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