音楽評論家 伊藤政則さんのシリーズ化されているトークイベントが書籍化された『伊藤政則の”遺言”4』を先週末に読了。
サイン本入荷機会に反応して
購入していた著書。
今回収録されているのは、2021年7月13日(「第1章 考察:2021年」)〜2023年3月27日(「第7章 興行事情の最前線」)開催の計7回。
実際に(オンライン)視聴していた回も含まれ、
その分は復習的な意味合いとなりましたが、それら込みで興味深かった箇所を以下に転記すると・・
” 何年か前から感じていたことだけど、真ん中がなくなっているんだよ。つまり、日本のプロモーターは、働いている人数から逆算すると、出来る年間の興行の数はだいたい決まる。
それと、コンサートをやるべき会場の数。そうやって考えると、真ん中が今後もっとなくなっていくんだよ。
今はプロモーターが全部をやり切れない。つまり、オファーがあっても、優先すべきは大物からで、身体が空かない。そうなってくると、呼べないアーティストがいっぱい出てくる。
これで困っているのは、意外に海外のアーティストだろうなと思っている。”(p207)
に、
” そしてコロナ以前と以降で変わったことは、洋楽の人員が随分削られたってこと。つまり、使える人間はどんどんカットされて邦楽に回されて、人数が少なくなってるから出来ないので日本盤を出さない・・・ “(p192)
といった日本国内の業界事情に、
” Live Nationのような全世界の興行を持っているところは、最初にトップが「このツアーを200億で買います」「300億で買います」って全部買うわけだよね。それを各国のブランチのLive Nationに振り分けていく。だから値段は最初からある程度決まってるんだよね。そういう興行が増えていくんだよ。”(p210-211)
と昨今高止まり傾向のチケット代の背景といったところ。
自分が日ごろ傾倒している分野の舞台裏に踏み込んだ内容には、やはり興味深く向き合わされました〜