土曜夜に開放感に包まれている中、そこに照準を合わせていた
『伊藤政則の『遺言』 オンライン・スペシャル4 〜今のうちに語っておきたいロックの歴史がある〜』をアーカイブ視聴。
(2021年)7月以来 ↓
5ヶ月ぶりの開催となりますが、今回は年末という時期もあり、2021年のロックシーンの振り返り。
まず、進行役の広瀬和夫BURRN!編集長と共通見解に至っていたのが「いいアルバムがたくさん出た一年であった」ということ。
お二人とも突出したアルバムが2枚あったそうで、
伊藤政則さんは #1 DREAM THEATER – A VIEW FROM TOP OF THE WORLD – 、僅差の#2 IRON MAIDEN – Senjutsu –
選出に当たってはライヴを見ずして、ベストアルバムを選考して良いのかとの葛藤があったとのことで、
IRON MAIDENが2番となったのは、IRON MAIDENの楽曲はライヴによって完成されるとの考えに沿って。
現れた新星。但し・・
売れたということで、象徴的に挙げられたのがイタリアのMANESKIN.- (The Rolling Stonesの前座に抜擢)
本来、サブスクを是としない伊藤政則さんが最も聴き込んだアルバムであったようで、
世界的に話題を集めることになった5月、日本では輸入盤もない、日本盤発売も結果的に出ることになったのは11月で、
その間、レコード会社等からの仕掛け等が皆無であったことに、業界の知恵、現場の熱量といった問題を指摘。
テクノロジーがもたらす弊害
広瀬和夫編集長によるとレコード業界の働き方がリモートにシフトし、職場で盛り上がる機運などが醸成しづらい状況を指摘。
また、伊藤政則さんはミュージシャンのインタビュー形式が世が元に戻ってもZoom(オンライン)は残るとのことに懸念を示し、
懸念とはインタビュー過程で熱量が伝わってこないと。伊藤政則さんの立場では、ミュージシャンから発せられた熱量を受け止め
それを業界、ファンに発信していく役回りも、肝心の大本の部分が揺らいでおり、従来からインタビューに乗り気でなかったミュージシャンが多かった中、今後、Zoomでかわされてしまったり、肝心の部分(熱き思い)が抜け落ちてしまうことになるのではないかと危惧。
水面下で起きているであろう地殻変動
もとより洋楽、ロックシーンに逆風が吹いていたところ、2020年に入ってからのコロナ禍で更に難しい時代に突入し、
それまではCDが売れないから興行で(稼ぐ)の傾向が、興行が打てなくなってしまい、
CDを買わなくても良くなってしまった人たちに、水面下ではライヴに行かなくてもいい人(周囲の理解を含む)も増えていっているであろう状況を指摘。
本来は『遺言』観覧者から「暗いニュースばかり」と指摘のあった中、どちらかというとネガティヴな現状に近未来を示された回となりました。