本書は、
アイドルを探せ
バス運転士
バブルの頃
テレビ男
聖火
ステイン・アライブ
夏の迷い子
の六篇(「夏の迷い子」のみ書き下ろし)の短編を収録。全体で189ページにつき、1篇当たり30ページ程度。
その分量から深く展開されしストーリーに深く没入していくところまでには至りませんでしたが、
六話六様の場面設定から、それぞれ
” 関東地方では、「オールナイトニッポン」(ニッポン放送)と「バックインミュージック」(TBSラジオ)と「セイ!ヤング」(文化放送)が御三家的な人気番組で “(p12/アイドルを探せ)
に、
” テレホンカードというのもバブルの時代を象徴するツールといっていいのだろう。
ショルダー型の大きな携帯電話を一部の人が使い始めてはいたけれど、一般的には、「緑色の公衆電話でテレホンカード」というやり方がトレンドだった。”(p67/バブルの頃)
といった具合、
泉麻人さんらしく80年代など時間軸をタイムスリップさせられる仕掛けがあり、導かれる結末も結構ダークであったり、捻りが効いていたり・・
マニアックな描写など難解な部分もあり、読者を選ぶ本であるように感じられましたが、
自分自身、思い入れを持つ時代に焦点を合わせられたところが印象的な読後感を与えてくれました〜