泉麻人さんの『大東京23区散歩』を読了。中間記アップロード後に、
読み進めたのは
杉並区【その一】【その二】
練馬区【その一】【その二】
板橋区【その一】【その二】
豊島区【その一】【その二】
北区【その一】【その二】
荒川区【その一】【その二】
足立区【その一】【その二】
葛飾区【その一】【その二】
江戸川区【その一】【その二】
馴染み多い杉並区から徐々に離れていき、荒川区以降は東京都民ながら殆ど土地勘ない状態。
知られざる一面に、情景浮かぶ一文に・・
色んなこと、例えば
” 坂を下ると右手に村上春樹の『1Q84』の舞台とされる中央公園(最近、反原発の会場にもなった)があり、この道の正面にこんもりと木立ちを見せるのが、地名の源でもある高円寺 “(p424/杉並区【その一】)
或いは
” 「そう、ココだよ。あの番組で『日本一ヒマな商店街』ってふれこみで紹介されたんだけど、いまの方が当時の10倍以上はヒマだね」”(p560/荒川区【その一】)
といった蘊蓄が随所に披露される泉麻人さんの知識の深さは「やっぱり、凄いなぁ」と思わされたり、
” <金属製スパイクでの入店はご遠慮下さい >
なんて警告が弁当屋の扉に出ているので、一瞬、拘置所関係のコワイ人がスパイク履いて店を荒らしているような絵、を思い浮かべてしまったのですが、なんだかおかしい。
そうか・・・金属製スパイクというのは河川敷の野球場利用者に向けたものなのでしょう。”(p609/葛飾区【その一】)
と場所柄を感じさせる記述に・・
散歩人。の軌跡
本来、通読が適する手合いの本ではなく、きっかけに応じて該当箇所を
或いは散歩時のガイドブック代わりに、といった使い方が散歩本らしい本来の読み方(活用法)と思いますが、
駆け足的に東京23区の紙上散歩、東京都民としてちょっと東京に詳しくなれた感覚を持てたことに読み応えを感じました ^^
本書は「おとなの週末」での2009年春から2013年春にかけて行われた散歩取材が下敷きとなって構成された著書。
「あとがき」で泉麻人さんは
” 「散歩人としては、(以下省略)」”(p664)
と散歩人としての自負を強く感じましたが、泉麻人さんの場合
23区外でも散歩本を上梓⬆︎されているわけで、
そういった経歴をお持ちの方が書かれた重みというのも、並大抵でないものと。