泉麻人さんの『大東京のらりくらりバス遊覧』を読了.-
刊行記念トーク&サイン会に出られず・・
といった本書に絡んだ経緯は、↑泉麻人さん登壇の「熱く、元気なあの時代 1980年代展」トークショー参加記に記した通り。
読んだ日は、まとまった移動時間が取れたこともあり、一気に最後まで。
” 「路線バスの旅」なんていうのが近頃はテレビ番組の定例企画になってしまいましたが、僕は5歳児の時分から「バス乗り」を趣味にしてきました。”
という泉麻人さんが、東京新聞のウェブ(ほっとWeb・東京深聞)に連載されているものの中から24篇が収録。
自分が、読んだ本の中で『高田文夫と松村邦洋の東京右側「笑芸」さんぽ』と近く、
本書はバスも使って・・ という感じで、
テレビ番組の影響もあり、字で追うよりも「映像が欲しい」と思ってしまうものの
写真にイラストも感じ良く挿入されており、
泉麻人さんの感性で都内及び近郊を旅出来る感覚を味わえるのが、(本書の)魅力であるものと。
バスで感じる東京風情
収録されているタイトルの一部を引用すると、
01 スカイツリーの裏町を往く
02 バスで渓谷へ連れてって
20 ハチ公バスで行く奥渋谷の奥の奥
という感じで、ぐっと前のめりにさせられたのは土地勘のある城西地区
11 思い出の城西サブカル街道/関東バス、国際興業バス/池袋駅→中野駅
13 サウスディープな町からノースディープな町へ/関東バス、国際興業バス/高円寺駅北口→赤羽駅東口
を巡った回で、例えば
” かつて渋谷にあった力道山経営のスポーツレジャー施設「りきパレス」の食堂にいた料理人がチーフコックをやっている・・・
との談だったが、なるほど、店内の所々にアントニオ猪木やジャイアント馬場のレアな写真やチケットが飾られている。
ボークソテーやトルコライス・・・ 料理もレスラー級のボリューム満点で、安くておいしい。店名を書きたいところだが、その辺は内密に・・・ ということで。”(p96)
といった一文から「どこだろう?」と興味を掻き立てられます。
泉麻人さんの視点とバスと
読むというよりは、ガイドブック代わりに、泉麻人さんが辿ったルートを自身で再現した際に、
より味わい深い一冊になると思いますが、自分が知らない東京についての記述満載。
日ごろ電車移動に慣れきっていて、先日久しぶりにバスの始点から終点まで乗車した際は
「こんな生活道路まで(大型のバス車両で)入っていくのか・・」と、
今さらながらの発見でしたが、
特にバスと距離を置いている(私のような)人たちにとっては、普段、自分が生活しているエリアの近くでも、発見を得られるきっかけになる一冊であるように思います。