先週末、ベーシストとして名を残したJaco Pastorius:ジャコ・パストリアスの生涯を描いた『JACO』を鑑賞〜
時を遡ること1989年。 John Sykes率いるBLUE MURDERで流れるフレットレスベースのサウンドに魅了された自分は
(BLUE MURDERの)ベーシストのTony Franklin:トニー・フランクリンに興味を持ち、Tony( Franklin)のインタヴューで
「Jaco Pastorius」の名前を初めて知ることとなり、そこからブートレグを含め音源を漁るかの日々で
どっぷりJaco Pastoriusにハマっていた頃があり、その唯一無二のサウンド、プレースタイルとともに
本などから周囲を軋轢を生む奇行の数々にパーソナリティに関する部分も触れるようになっていきましたが、
こうして一本の映画(作品)として見せられると、断片的な知識が統合されていったという興味深いプロセスでした。
ベーシスト、ジャコ・パストリアスのドキュメンタリー!映画『JACO』予告編
個性、そして天才としての苦悩
プレースタイルが確立する前の幼少の頃、毎晩、キューバ音楽を聴いて寝ていたという頃から
順調にキャリアを歩み始めたもののWeather Report:ウェザー・リポートを率いるJoe Zawinul:ジョー・サヴィヌルとの確執に、
皮肉にもハヴァナ(キューバ)で暗転することになった宿命。
冒頭のハンチングキャップ被りながらインタヴューを受ける映像に、
同じく不遇の時期を抱えたEddie Van Halen:エディー・ヴァン・ヘイレンを想起させられましたが、
Eddieの場合、立ち直ることが出来たもののJaco Pastoriusは双極性障害に苦しめられ転落の一途の様相で、晩年はストリートパフォーマンスで投げ銭を貰うまでに。
唯一無二なるJacoだからこそのサウンド
完全なる後追いの自分としては、てっきり死後評価された面も大きいミュージシャンと思っていましたが
絶頂期はHeavy Metalファンなどジャンルを超えた支持を得て、ロックスター並みの人気を得ていたとの証言から
その落差たるや常人の絶するもの現であったろうと。
自分がベーシストでもない限り、なかなかベースの音を意識して音楽を聴くような聴き方もしないと思いましが、
最後、Miles Davis:マイルス・デイヴィスがJaco Pastoriusに捧げたと思われる演奏シーンが一部挿入され(下掲のリンクと同一か不明)、
Miles Davis Marcus Miller Fun Talk + Playing Live “Mr.Pastorius”
映画の中でも繰り返し語られたことですが「(楽器の枠に囚われない)自分の音を持っていた人だったんだなぁ」と、
同じく自分の音を確立していたMiles Davisの演奏を見ながら、自分がJaco Pastoriusに魅了されたワケをよく実感することが出来た映画でした。