全米No.1マーケティングコンサルタント ジェイ・エイブラハム の『限界はあなたの頭の中にしかない』を読了。
もともと買う予定の無かった本ながら、いつも意識させられる新宿のブックファーストで他の本を購入した際に、
あと500円買えばTULLY’S無料券が貰えるという事で・・ 巡り合った一冊。でも結果的にそれで良かったと、内容は素晴らしく。
明かされたジェイ・エイブラハムの過去
ジェイ・エイブラハム本という事から、マーケティング手法についての記述が割かれているものと思いきや
マインドセット主体の構成となっており、そこには
” 自分の弱点を乗り越えた過程をつぶさに語ることにより、日本の多くの人に生きる力を与えたいと願ってのこと ” (p233)
と、ジェイ・エイブラハムの強い意志があり、その背景は巻末の「訳者あとがき」で翻訳者の島藤真澄さんが、
本書が刊行された経緯で明かされており・・
“この本は、ジェイ・エイブラハムが、貧しい生い立ちから這い上がってきた過程を、世界で初めて、克明に書き下ろしたものとなります。
氏の輝かしい圧倒的な業績が、高卒で職なしの落ちこぼれからのスタートだっという事実は、多くの人の勇気を与えてくれることと確信いたします。
しかし、当初、この本のアイデアを申し出た際、すぐには返事をもらえませんでした。
アメリカンドリームの国とはいえ、MBA取得が当たり前のビジネスエリートの世界で、わざわざ自身の弱みをさらすのは危険です。 ・・中略・・
そんな大きなリスクを抱えてでも、氏が自身のすべてをさらけだす決断をしたのは、日本の若者の自殺率の高さを知ったからです。” (p232)
と、私も本書に目を通すまではジェイ・エイブラハムがエリートのキャリアを歩んできたものと思っていましたが、
実際は・・
” 5回目のデートのことでした。高校を卒業したばかりのその日、ガールフレンドから妊娠したと告げられたのです。
私の家庭は、移民ユダヤの家系で、たいへん質素な暮らしぶりでした。そのうえ私は注意欠陥障害(ADD)で、
18歳のそのとき、大学進学もできていませんでした。将来に希望を持てず、何をしたらよいのかわからず、ただ、不安でいっぱいでした。” (p16)
というところから、
” 私は何の知識もない若者で、車もなく、やっと見つけた仕事に通うのに、バスを3本乗り継がないといけませんでした。
そのうえ、どうにか見つけた安アパートに引っ越したその日、集中力がないという理由で職場をクビになりました。” (p16)
と、多難な船出。そこから途方に暮れた状況下で巡り合った人物からかけられた言葉
” 君がおしまいだと思い込んでいるから、おしまいなだけだよ。君の人生は本当は無限大なんだからね ” (p18)
と諭され、
” 「信じる以外に、明るい未来はない」” (p18)
とマインドセットを改め、徐々に輝かしいキャリアを築いていく事に。
非凡と平凡を分かつもの
以下、印象的であったパートを拾うと・・
” あなたの成長と将来の可能性を制限しているものは、唯一、あなたが自分で達成できると考えていることの限界です。 ” (p20)
” しかしほとんどの人が、98%もの人が、日本でも世界でも、平凡であることを受け入れ、不満だらけの窮屈な、そこそこの日々に甘んじ、
ほどほどに仕事をし、なんとなく人生を送り、家族とそれなりに暮らしています。それが当たり前で普通だと信じています。” (p23)
ビジネスの前に、人ありて
” あなたが見いだすべきことは、「人間を知る」ということにつきるのです。学歴も職歴もさほど重要ではないのです。 ” (p52)
” 私がセールスの仕事で発見したのは、私を重要だと思ってもらうためには、当たり前のようですが、
先にその人を重要だと思わなくてはならないということです。そのためには、まず、話を聞かなくてはなりません。” (p52)
人の話を聞く上での心構えとして・・
” 大事なことは、話し手にしっかり聞いているという合図を出したり、質問を返すことです。しっかり相手の目を見て、
うなずいたり、相槌を打ったりします。相手の話をしっかり理解しようと集中し、不明瞭な点は確認のための質問をするのです。” (p52-53)
” 人の会話の機会があるたびに、あなたが価値を作り出すのです。すると、取引は自然に成り立つのです。
買い手の気持ちになってみることが大切です。相手の立場になって伝えることが、何よりも大切なのです。” (p61)
” 仕事とは、あなたの「独自の価値」を他者に与えた分が、報酬として与えられることです。お金は、その価値に見合った分が与えられます。” (p62)
この事はビジネスに限定されず
” 人から興味を持たれたいのなら、まず、人に興味を持ちなさい。あなたが人から感動されたいのなら、まず、相手に感動しなさい。” (p62)
” あなたの独自性、才能とは、「相手が認めた価値」である、ということを忘れてはなりません。
相手に価値を与えることができればできるほど、あなたの才能は高まり、認知されるということなのです。” (p62-63)
” 今、あなたがすでに持っているものに、あなたの人生のヒントがあります。” (p64)
と、マーケティング領域に止まらない、ジェイ・エイブラハムの人生論が前面にフィーチャー。
ここまでが、8章+エピローグあるまでの第2章まで。第3章以降は改めて。