かつて100万ドルのギターリストの異名を取った Johnny Winter:ジョニー・ウィンターの生涯に迫ったドキュメンタリー作品『ダウン & ダーティー』を鑑賞してきました。
Johnny Winter Down & Dirty Trailer 2016 — Film Out March 4, 2016
同作のDVDがリリースされる直前、期間限定で映画館で公開されるタイミングを捉えたもので、
内容とともに鑑賞料金500円にも魅力を感じて。
鑑賞場所は、先日の『アーサー・フォーゲル』に続いて、新宿駅前地区に立地するシネマカリテ.-
レイトショー公開で夜9:00からの上映で、私が行ったのは月曜日でしたが、そこそこのお客さんの入り。
まず、上映が始まった感じたのが「音デカっ!」と。音域のせいがあったかもしれませんが、これは映画館のメリットですね。
ジョニー・ウィンター復活への愛ある物語
90分弱の上映時間で、ストーリーは幼少の頃から網羅的に語られていますが、
印象的であったのはマネージャーの術中にはまり、(ジョニー・ウィンター)ヘロイン中毒に苦しんでいたところ
その状況に危機を抱いた生前最後のバンドメンバー(含.マネジメント体制)たちが、更生プロセスに惜しみない愛を持って取り組んだこと。
これは、2011年に遂に実現した来日公演にも繋がることで、
この映画を観るまではバンドメンバーを「ジョニー・ウィンターに見出されて、ラッキーな人たちだなぁ」といった捉え方をしていましたが、
彼らがいてこそ、日本のファンが目にしたジョニー・ウィンターの姿があったということ。
その涙ぐましい献身的な姿は、バンドという枠組みを超越して、文字通り「家族」と呼べる絆を感じました。
飾らないジョニー・ウィンターの魅力
映画全体に関しては、実際にご覧(2016/4/22までは新宿シネマカリテで上映有り)になられてと思いますが、
バンドメンバーは言うに及ばず、ファンに、そして一流ミュージシャンから慕われていたジョニー・ウィンターの飾らない人柄が作品全編を通じて伝わってきます。
また、日本のファンにとっては来日公演時の模様も収録されているので、特別な思いも抱かせてくれます。
そして予告編で見て楽しみにしていた、日本滞在時にカラオケで歌った Georgia on my mind も比較的長めに収録されており、
Johnny Winter Does “Ray Charles Karaoke” From Down & Dirty 2016
価値ある伝説のブルーズマン公式記録映像
製作年2015とあり、この映画が没後の公開となってしまう状態は想定されていなかったのでは?と思うくらい活動的で
それだけに突然といった形で打電された訃報が改めて惜しまれますが、
時代を築いたミュージシャンの生涯が、本人が全面的に関わり、映画館での上映にも耐え得るクオリティで遺されたことは資料的価値もあり幸運であったと思います。
ミュージシャンの生きざまに触れることの出来る一本で、ブルーズやロックに情熱を感じれおられる方々は是非!と思います。