藤原和博さんが教えてくれた「それぞれ一人一人」の時代の「稼ぎ方」:神田昌典ビジネスプロトタイピング講座 その壱

神田昌典さんが、最初で最後、起業家育成を手掛けるプログラムの「ビジネスプロトタイピング講座」に先ほどまで参加してきました。

IMG_5914
1月以来、久々に表参道のアクションセンター。土地勘はあるものの、曲がる所を間違えて、つかの間の迷子に(笑)

>> 神田昌典さんが最初で最後、直接起業家育成をプロデュースする「ビジネスプロトタイピング講座」に、合格! <<

初回は、藤原和博さんの『情報編集力』と題された講義。藤原さんのお名前を見て、反応出来る人は少ないかもしれません。

世間的には、民間人として初めて公立学校(杉並区立和田中学校)の校長を勤められた方として、お馴染みであるものと。

IMG_5916
会場に入った際には、熱心に藤原さんが熱心に板書されていました。

時代の要請としての「起業」

神田さんが講座を企画したのは、起業家向けの講座をやりたいと長く思われていた事と、

30〜40億人が中間層に入る人口構成の変化、スマートフォンの世界契約数が70億超となっている点から起業家教育をやらない事にはどうにもならない時代の要請に応えての事。

会場に集ったのは24名でしたが、Ustreamで無料配信された視聴数は2,000人規模にも達したそうな。

答えが一つから、人それぞれの時代へ

で、約2時間に及んだ藤原さんの講義の要旨は、教育の場に携われてきたご経験から

日本の教育で教え込まれる正解主義に問題の根幹が有り、1997年の日本の高度経済成長の終焉に伴い

「みんな一緒の社会」から「それぞれ一人一人の社会」への変化が起こった点を指摘。

IMG_5919
時代は「みんな一緒」から「それぞれ一人一人」に推移していた

例えば電話を例にすると、かつては家の電話を家族で共有していたが、今の時代は一人1台(以上)携帯電話を持つ事になった。

結婚式の引き出物を例にすると、皆、同じ物を持ち帰っていた時代から、各自、カタログから欲しい物を選ぶ時代に変わった。

仕事の現場では共同幻想が崩れ、マネジメントが難しくなり、各人にとっては自分自身の幸福論を持てないと、幸せになれない時代となった。

従来は、正解をいち早く言い当てる能力が評価されたが、今の時代は、自分が納得し、かつ関わる人を納得させる能力が求められ、人の知恵、知識をつなげられる力が重要となっている。

つなげる力が、情報編集力に結び付いてくるわけですが、この能力は遊んでいないと鍛えられない。

自分の考えを他人の考えに触れさせて修正していくアプローチとなり、その幅が広ければ広いほどアイディアが涌いてくるようになる。

まずは、(多くの人は)自分自身が正解主義の思考にはめられている事に気付くところから始まる。常識、前例を疑う事。

「つながる力」の担い手

情報編集力とは相手とつながる力に作用し、自分のプレゼンテーション術もある。

IMG_5917
「情報処理」から「情報編集」の時代へ

まず、最初の段階で、敵と判断されない事に目標を置き、相手の頭の中にあるイメージを使って、つながっていく。

出逢いの場では、自分の顔であったり、名前を用いる事が効果的。

人々は出逢いの場でもエンターテイメントを求めているとして、つかみとして、キャッチフレーズが効いてくる。

起承転結でいう「転」の部分を最初に持ってくるイメージで、よくある情景で会った時点で名刺交換から始まるが

本来はお互いの痕跡をしっかりとした形で相手に残し、最後に連絡を取り合う手段として、本来は用いられるべき。

会社のブランド力に頼っていると、いつまでたっても個人の力が磨かれなくなってしまう。

自己紹介ではなく、相手の頭の中に、どんな映像を写したいか。相手の頭の中を編集するプレゼンテーションが望まれる。

相手と同じドメインがあると仕事をしやすくなり、特にマイナスモードで繋がった場合は力が強くなる。

10,000時間の法則で、何を選ぶ?

また、「(お金を)稼ぐ力」についても言及が有り、大抵の場合、1つの事に10,000時間を投入すれば、100人に1人の人材になれる。

更に近い分野で10,000時間を投入すれば10,000人に1人の人材になれ、社会で「稀少性」を帯びた人材となる。

この「稀少性」がポイントで、上述の「それぞれ一人一人の社会」、他の人たちと違うことをやっていても、その孤独さに耐える事が、自分自身の「稀少性」を育てる事につながってくる。

「稀少性」が備わると、信頼 x 共感 = 信任(クレジット) の数式から仕事を任せられるようになる。

IMG_5920
求めれる「稀少性」に、人生「山あり谷あり」

「山あり谷あり」で、人は谷に惹かれる

最後は、自分の人生を曲線に振り返り、谷の部分をグループの中で共有。

苦しい時を如何に面白おかしく、人に語れるかが、その人の資産となり、後のその人の人生を輝かせる事につながる。

谷が浅いと感じた人は、どんな山にも裾野があるように、どのような経験も後に効いてくるので、深さを求めるくらいで良い。

思いを実現する場所のプレーヤーたち

講演の解釈は、このような感触。その後、ケータリングが用意され、「聞いてないよ(古っ)」といった感じで・・

IMG_5923
懇親会の乾杯シーン

藤原さん、神田さんを含め30数名の方の前で、自己紹介の場が設定されるなど、冷や汗の展開もありましたが(笑)

藤原さんの熱の入った講義に、神田さんのクールに未来を見据えた語りに

自分の懐具合も大事ですが、目先の事に目標を置くのではなく、「世の中を良くしていくために自分に何が出来るか」といった大局的な視野を持つべきとの学びを得られた初回でありました。

 


Comments

comments