経営コンサルタント神田昌典さんの新刊『未来から選ばれる働き方』を読了.-
Facebookのニュースフィードを何となしに眺めていた際に、本書の出版を知り、
多分にインスパイアされた『2022−これから10年、活躍できる人の条件』の続編と知り、
即座に購入し、内容を楽しみにさっそく本を読み始め・・
失われていた、希望のストーリーを描く力
“「会社がなくなる時代」のキャリア革命 ” とサブタイトルに掲げられ、
本書は、正社員を派遣するという画期的な事業を行なわれているUTグループ株式会社の若山陽一社長との共著での出版。
本の冒頭「まえがき」で神田昌典さんが・・
” あなたにとって、「なくなって最も困るもの」は、何でしょうか?
携帯? 財布? 仕事? 健康? それとも家族?
もちろん人によって答えは異なるでしょうけれど・・・。本当に困るのは、そのいずれでもないと私は考えます。
・・中略・・
なくなって一番困るものは、なくなったこと自体に気づけないものです。
気づけないからこそ、自分が存在する意味すらも失われてしまうものです。
そして、その大切なものを・・・、この二十年間、私たちは失いかけていたのです。
「失われた二十年」という言葉があります。
一般的には、景気低迷が続いた二十年という意味になりますが、
その間に、失ったのは経済成長だけではないことを私は、本書共著者の若山陽一氏から、衝撃とともに教わりました。
二十年の間に私たちは、人が生きていくためになくてはならないもの・・・ 「希望のストーリーを描く力」を失っていたのです。
ストーリーは生きる力の源泉であり、それを失うことは、考える力も、感じる力も、愛する力すらも、なくなってしまうことを意味します。”(p3-4)
といった読者への投げ掛け、時代認識から228ページに渡って、各個人と働き方の在りようについて指針が示されています。
時代を生きる上で意識するべき術
「第5章 コネクティング・インテリジェンス」とあり、この部分は年初に開催された「2022 講演会」のポイントと重なる内容で
時代認識に関する捉え方を改めて理解する上で助けになったこと、
そこから更に理解を深化させる内容、それは本書で掲げられたタイトルに対する回答にもなりますが、
” 「会社」がなくなる時代には、どのような人材が飛躍していくのか?
この問いの答えを、これまで若山社長と語りながら、探求してきました。
振り返ってみますと、次の三つの勇気を持つことが大切だという結論に、私たちはたどり着いたようです。
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激変する技術環境に対応し、未知なる分野に踏み出す勇気。
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暗闇のなかでも、輝かしい未来ビジョンを描き、一人からでも声を上げる勇気。
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自分と共振するビジョンを持つ組織を見分け、その組織とともに成長していく勇気 “(p168)
という要約。一文で表すと
” 「暗闇に飛び込み、自分で光を見出し、声をあげ、仲間を見つけ、新しい世界を創る勇気」”(p168)
と換言されていますが、時代を生きる「在り方」が明確な形で示されており、読後にすっきりした感覚を抱かせてくれます。
今の社会を生きるものの心得
本文では、神田昌典さんが率いられる株式会社アルマクリエイションズでの働き方に対する取り組みに、
また、若山陽一さんの生い立ちに、UTグループ株式会社を創業した経緯に、今日に至るまでの苦悩にと、結論を導くプロセスが相応の分量が割かれ説明されています。
共著者のお二人が数多の雇用者と接した、向き合った中で
” 重要なのは、「自分のキャリアビジョンが明確かどうか」”(p118)
といった大前提についても説かれており、
” 会社の寿命がどんどん短くなり、・・中略・・ 二〇二四年前後には、会社は成熟期の後半に入ります。
つまり、その頃から、会社という概念は、いつなくなってもおかしくないのです。”(p28)
という会社の寿命がどんどん短命化しているスピーディーな社会変化が起こっている時代、
自分を取り巻いている環境に対する客観視なり、フィットしたい感覚を得たい方などに、インスピレーショを得られる一冊であろうと思います。