彗星の如く現れた藤井総太四段の登場で、ブームが訪れた将棋界。
並み居る棋士の中で、一際独特の存在感を放つ加藤一二三九段のトーク&サイン会に参加。
将棋と私と加藤一二三九段
私自身は小学生中高学年で、一時(学校内の)囲碁将棋クラブに所属するなどマイブームな時期はありましたが、
特段の才覚のないことを早々に自覚し(苦笑)以降、自然と距離が置かれることに。
その時から将棋界に加藤一二三という有名な棋士がいるということは承知しており、遥かなる時空の経過を経て、訪れた今回の機会。
整理券入手の会計時に、開場前に、相応に感じられる人の熱気で、将棋ブームの一端を感じた思いでしたが、
満席となった会場で定刻通り始まった前半のトークは、『将棋世界』田名後編集長が進行役を務められトークショー形式で開催.-
一度質問が振られると、マイクを持った加藤一二三九段が喋る喋る(笑)まずもって、そのパワーが印象的でしたが、
お話しされた内容は、てっきり藤井総太四段との対局に敗れ、引退が決まったと思いきや
その相手は高野智史四段との対局であったと知り、引退を回避すべく(対局前に)2週間に渡ってホテルに篭って対策を講じたものの実らず、
クリスチャンであることから、まず、神様に感謝の念を捧げ、次いでご家族にご報告されたとのエピソードを披露。
また、現役中の対局数2,505(歴代1位)、勝利数1,324(歴代2位)や名局と語り継がれている有吉道夫九段との対局の舞台裏を話されている際には
勝負師の顔、自負が言葉の端々から伝わってきました。同対局では、次の一手を翌日の対局再開を前に夜5時間、朝2時間の計7時間に及ぶ熟考から
後世語り継がれる妙手が閃いたご経験から「勝負とは、深いもので感動出来るもの」との境地に達したそうな。
将棋界の伝説とのひと時
トークは参加者からの質疑応答を含めて全体で約60分。まだ話し足らないといった様子の加藤一二三九段でしたが(笑)
その後、イベント後半のサイン会へ。
対象書籍3冊のうちから選べるうちの1冊に豪快なサインを頂き、
その後、記念の2ショット撮影 ⇩
この時が、引退が決まってから丁度1ヶ月というタイミングであったそうですが、
七十七歳ながら意気盛ん、茶目っ気ありながらも勝負師としての矜持も多分に伝わってきて、将棋界の伝説に触れた感覚が印象的でした。