ウッチャンナンチャン、最近はピンで活躍されている内村光良さんの小説『金メダル男』を読了。
本を手に取ったのは、ウッチャンナンチャンのファンであったり、TVで内村光良さんの番組を見ていてというものではなし
イベント参加のための整理券入手のため、八重洲ブックセンターに立ち寄った際、
サイン本のコーナーで本書を発見↑したのが、きっかけ。
一等章が生み出した歓喜と苦悩
話しは、もともと讀賣新聞の夕刊に連載されていたものだそうで、
映画化が決まり、脚本が書き上がった頃に、小説として刊行の依頼があり、後追いという形で仕上げられたそうな。
内容は、主人公(秋田泉一)が小学3年生の時の徒競走で一等賞になったことに無上の喜びを感じ、
” これを機に、ありとあらゆる一等賞を獲ることにとりつかれた、わたしの数奇な人生が始まったのです。”(p19)
というのが基本線で、なまじ器用に色んなところで才能を発揮してしまうため
一等賞を獲っては、失恋などの挫折を経て苦境に陥ってしまうという繰り返し。
そのプロセスたるや
” 駆けっこに始まり、無呼吸王、小手男爵、火起こし大会、秋の大声コンテスト、体操部、陸上部、高校の中間試験、バスケ部、表現部、劇団和洋折衷、自転車世界一周、欽ちゃんの仮装大賞、ピューリッツアー賞、無人島、ダンスコンテスト、漫才グランプリ、歌手、小説家、アクロバットPRショー・・・。”(p247-248)
と盛りだくさん(笑)
本の中で、各エピソードについて綴られていますが、内村光良さんが、読者へ伝えたいメッセージは明瞭で、
” 一つのことに打ち込めない。いろんな分野に手を出していく。おおよそ一般には理解されにくいであろうこの秋田泉一という男の生き様に共感してもらえたら嬉しいです。
・・中略・・
先のことなんて誰にもわからない。ただ懸命に生きていくー。この本を読んで何かを感じとってもらえたら幸いです。”(p262)
というもの。
本の原題は『東京オリンピック生まれの男』であったそうで、秋田泉一が成長していくプロセスが
昭和という時代背景とともに描かれ、いろいろ器用なんだけれども生き方が不器用な主人公と、昭和のノスタルジーが相まって、
内村光良さんの声が聞こえてくる感じで進むストーリーに、読書期間2日程度で一気に読み進めましたが、その間、しばし設定の中に惹き込まれていきました。
映像化される楽しみ
何より、主人公の不器用ながら真摯な生き様に共感するところ多かったですが、
既述の通り『金メダル男』は映画化され、既に封切り日も10月22日と発表されており、
『金メダル男』著者・内村光良からのメッセージ
劇場というよりはDVDになると思いますが、文字を通じて想像された世界が、どのように映像化されているか
そんな楽しみ方もしてみたいと思います。