岸惠子さんが振り返った国境、職種を跨ぎ、新たな女性像を切り拓いてきた軌跡:『岸惠子自伝 卵を割らなければ、オムレツは食べられない』読了

前々回、読み始め記をアップロードした

<< 2021年8月10日投稿:画像は記事にリンク >> 岸惠子さんが振り返った日本女性として生きた軌跡:『岸惠子自伝 卵を割らなければ、オムレツは食べられない』読み始め

女優、ジャーナリスト、作家として活躍されてきた岸惠子さんの『岸惠子自伝  卵を割らなければ、オムレツは食べられない』を読了。

その(読み始め記)後、読み進めた

 第III部 イヴ・シァンピとともに

 第IV部 離婚、そして国際ジャーナリストとして

 第V部 孤独を生きる

女優としての顔よりも、

” 日本をフランスの文化的相違は「カルチャーショック」なんぞという素っ気ない一言で片づくわけはない。

わたしはその深間にはまってジタバタした。敢えて言えばノイローゼになったのだと思う。酷い不眠症になったわたしに、安定剤の四分の一錠を処方し、夫が提案してくれた。

「ぼくが飛行機のチケットを用意するから、ときどき日本へ帰り、ご両親のもとでくつろいだほうがいい」夫の思いやりは、心から嬉しかった。”(p149)

と結婚を機に転居したフランスで直面した国際結婚や仕事と家庭との両立の苦悩、

” パリのテロに端を発し、命を張った二年半であった。”(p240)

に、

” 二度目のイラン行きは、文字通りの命の危険を冒しての、イラン空爆下の自費取材だった。”(p247)

と、活動の幅をジャーナリストにも拡げての記述、しかも体当たり的な振り返りも多く、これはタイトルに掲げられた「卵を割らなければ、オムレツは食べられない」にリンクする部分ですが、女優のイメージしか持っていなかったところ先入観を覆され印象に残りました。

自立した女性の先駆け 光と影

当初、期待していた『約束』などで共演した萩原健一さんに関する話題はなかったものの

購入本に書かれていたサイン

本書を読むまでお名前程度の理解であった岸惠子さんの駆け抜けてきた国境にジャンルを跨いでの生涯、今も(執筆等)現役で活躍されている日々を興味深く拝読する経験になりました。


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