岸田奈美さんの『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった +かきたし』を読了。
(2023年)6月に開催された ↓
岸田奈美さん登壇イベント時、サイン目当てに購入していた著書。
本書は、一昨年9月に読んでいた ↓
『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』の文庫版で、タイトルにある +かきたし の「表紙の絵の味」以外は一度読んでいたはずであるも、
結構忘れてしまっており💦 読んでいて「あぁ、これね・・」といった具合で思い出しましたが、改めて岸田奈美さんの文章力、
巻末の解説を担われた作家一穂ミチさんをして
” 過去の話しとは思えない臨場感で活写されていて、目の前で会話が繰り広げられているかのような錯覚を覚えました。
何が起こり、誰とどんな風に話したのか、相手の表情や口調は。それに対して自分は何を感じたのか。これは、メモを取れば後からでも書ける、というものではなく、岸田さんの類まれな才能だと思います。”(p249-250)
と言わしめた岸田奈美さんの著書だからこその世界観、起こったことは悲しいのだけれども、読み終えれば前を向かせてくれるような筆力を改めて実感させられました ^^
歩んでみたかったもう一つの人生
上述のイベント時、サインを書いて頂いている際「次、本を出される予定は決まっているんですか?」と問えば、「ないです!」との即答でしたが、また改めてこの独特の世界観、文章(再現)力に浸れる機会、切に楽しみです ^^
なお、本書はNHK BSでドラマ(映像)化されており、岸田奈美さん曰く
” 送られてきた台本を読んだ瞬間、ことばで言い表せない期待がわき上がった。
わたしはこの本に、わたしのすべてを記したわけじゃない。まだ書けなかったこともあるし、書こうと思うことすらできなかったこともある。優しさを素直に受け取れず、縁が途切れてしまった人たちの顔も浮かぶ。ほのかな苦い後悔は、わたしが未熟だったから。
台本のなかの岸田奈美は、あの時わたしが言い残したことばを発し、やり残したことを手にし、途切れかかった縁をつないでくれていた。それは、どこにもだれにも語ったことのない、わたしが歩んでみたかったもう一つの人生だった。”(p240-241)
と 文庫あとがき(おかわり)に記されており、本書とは違った楽しみ方を出来そうで興味をチクリとさせられました。