ナイツ塙宣之さんの『極私的プロ野球偏愛論 野球と漫才のしあわせな関係 』読了。
在宅時、TVで塙宣之さんが司会/編集長代行を務める「球辞苑」が放映されていると
たいがい見入ってしまい、番組を通じて野球愛を十二分に感じていましたが、サイン販売を知り即反応し購入。
本書は
はじめに 野球と漫才のしあわせな関係
第1章 塙の「極私的ジャイアンツ論」
第2章 野球と漫才のしあわせな関係
第3章 僕と野球と、漫才と
第4章 「塙的ベストナイン」を作ってみたらこうなった!
第5章 芸人版東京ダービー 巨人・塙宣之 vs ヤクルト・出川哲郎「性格と芸風と、ひいきチームの不思議な相関関係」
あとがきのようなもの やっぱり、野球と漫才のしあわせな関係
との章立て(別途、おまけのあとがき、特別企画1・2)に沿って、リトルリーグに入った兄の背中を追う形で始めた野球で
” 元々、運動神経が悪かったこともあったと思うけど、そもそも近視でボールがよく見えない。だから、キャッチボールすらロクにできないんです。当然、周りの子どもたちから笑われ、からかわれました。・・中略・・
子ども心に「オレ、ちょっと間違えちゃったかな・・・」って、小学生にしてすでに人生の選択を誤ったことに気づきました。
技術的に未熟だからコーチには叱られる。同級生や先輩たちには笑われる。それで、練習も2回、いや3回かな?とにかく、その程度しか通わないうちに、リトルリーグを辞めていました。
これが、人生最初の挫折でした。”(p87)
という躓きはじめも、
” でも、幸いだったのは野球を嫌いにならなかったことでした。幼心に「自分はプレーには向いていない」ことは理解したけど、「野球は楽しい」という思いは変わらず、「これからは見る専門でいこう」と思えたことでした。”(p87)
なる切り替えから
” 巨人のおかげで「世の中には裏があるんだ」「世の中は一筋縄ではいかないんだ」って多くの人が学んだんじゃないですか?世の中はきれいごとばかりじゃないんだし、世の中には表もあれば裏もある。そんなことを巨人から学んだんですよ、僕は。”(p30)
と、どのような批判があっても跳ね返す讀賣ジャイアンツ愛 ^^
芸能界と野球界を紐付けた切り口で進められる「第2章 野球と漫才のしあわせな関係」では
“「前田智徳=有吉弘行」説!
・・中略・・
前田も好球必打というのか、一球で確実に仕留めるじゃないですか。そういうところが、この2人は共通するんですよね。”(p63-64)
思わず唸らさせた説明、と同時にジャイアンツにとどまらぬ野球愛に、
お笑いの道を志すもとっかかりを得られたなかった時期、既に解散してしまったストリークの漫才を見て、ネタに野球を取り入れ
” 普段はダメ出しばかりのマネージャーさんが、「今までよりはだいぶウケるし、いい感じだね」って褒めてくれたんです。
・・中略・・
マネージャーさんにも言われたし、自分でも実感としてあったのが「自分の好きなことをしゃべっているときはテンポもよくなる」ってことだったんです。”(p103)
という気づきから次第に頭角を現していった経緯もあったそうで、一プロ野球ファンとしては興味深い内容で、
偏ったジャイアンツ愛にはじまり、野球とは切っても切れない人生を歩んできた塙宣之さんの足跡とも楽しめた著書でした。