元通商産業省(現在、経済産業省)官僚で、退官後、TV等で歯に衣着ぬコメントが強烈な印象を残す、
古賀茂明さんの新刊『日本中枢の狂謀』が
全七章あるうちの第三章まで読み終えたので、そこまでのおさらい。
現在、古賀茂明さんは「改革はするが、戦争はしない」を基本理念とするフォーラム4を提唱、その活動に注力されています。
日本を憂う直言苦言
章立ては、
第一章 総理大臣の陰謀
第二章 「報道ステーション」の闇
第三章 新聞テレビから漂う腐臭
第四章 日本人だから殺される時代
第五章 日本沈没の戦犯たち
第六章 蘇った原発マフィア
終章 東京都知事選挙と民進党の全内幕
と、直球的なヘッドラインが並びます。
安倍晋三首相が展開する経済政策、アベノミクスの評価を
” アベノミクスといっても、これまでの自民党政治と違うのは、日銀が金融緩和をして、莫大な量の円をばら撒いていること。すなわち第一の矢だけである。
第二の矢、つまり公共事業のバラマキは、さんざん失敗した歴史をまた繰り返している。
そして、第三の矢の成長戦略に至っては、まったく鳴かず飛ばずのまま・・・ “(p43)
長期政権となっている安倍政権とメディアの関係について、二〇一四年一二月の解散総選挙を例に
” 改革は日本再生の鍵となるものの、それを前進させることができなかったのは、他ならぬ安倍総理の勇気のなさゆえである。
そんな安倍自民党に政権を任せたままでいいのか ー 本当の争点はそこにあったはずだが、メディアがそれを伝えることはなかった。”(p49)
と警鐘を発し、安倍総理の政治哲学を
” 1. ものすごく怒っていても、時間が経てば忘れる
2. 他にテーマを与えれば、気がそれる
3. 嘘でも繰り返し断定口調で叫べば信じてしまう “(p57)
と分析。
「報道ステーション」で表面化した対立の舞台裏
また、世間を騒然とさせた「報道ステーション」降板に絡んだ舞台裏に関して
” 私が「報道ステーション」に出られなくなったことを番組内で告げたのには、これまで受けた多大なる応援に対し感謝の意を表することの他に、大きく二つの狙いがあった。
その第一が、マスコミと権力のあいだで何が起きているのかを視聴者の皆さんに知ってもらうということだ。
・・中略・・
重要なのは、古館氏をそういう状況に追い込んだ最大の責任者が、権力側とそれに媚びるかのように擦り寄るテレビ朝日、古舘プロジェクトの両トップであること。
それを示そうと考えて「真実」を語ったのだが、それは彼らから見ると、「爆弾発言」以外の何物でもなかった。”(p63-64)
古賀茂明さんが示した覚悟
読まれる方々の立場によって、本書に書かれてある内容の受け止め方はそれぞれと思いますが、
古賀茂明さんらしい、覚悟の感じられる遠慮のない書きっぷりがブサブサと身体に刺さってくるかの感覚は
古賀茂明さんの代表作『日本中枢の崩壊』
を彷彿とさせられるものとなっています。
残り約250ページ、心して本書で発せられている警鐘に向き合いたいと思います。