先日、読了記をアップロードした
『THE 独裁者』を上梓された古賀茂明さんと望月衣塑子さんによる公開論議&サイン会に参加。
文書改ざん疑惑の深層
冒頭、最近明るみになった森友問題に関して財務省の公文書改ざん疑惑。
古賀茂明さんも通産省に在籍されていた頃、報告書を改ざんされた過去を持ち、
組織が追い詰められるとバカなことをすることがあると、改ざんの背景に、その可能性に言及。
この問題に関して望月衣塑子さんは、連日の大阪地検の取り調べで財務省の人たちが相当な心理的重圧に参っており、
そういう状況の中で文書が出てきた可能性に大阪地検の世論形成を意図したリークに、「さすがにこの件はやり過ぎだろう」という善意に基づいての判断もあると指摘。
因みに与野党とも財務省で本件で矢面に立っている太田理財局長について悪く言う人は少ないものの
前任の佐川国税庁長官については省内で評判が芳しくない面もあり、
古賀茂明さん曰く、財務省はさまざまな利権を持ち、仲間割れすることのない省庁という特徴を持ちながらも、この件に関しては人的な面からのほころびを出た可能性もあるようです。
話しは朝鮮半島情勢、働き方改革など多岐に及び、司会役の方から振られた話題に対して古賀茂明さんと望月衣塑子さんが順に応える形式で進行。
この中で、古賀茂明さんが、働き方改革に関して、自由民主党が経団連の要望を受けての背景に、
賃金を上げても、労働時間を増やしても、各経営者が儲かるビジネスを出来ない現実を指摘し、
議論を重ねても、本質を外れているとの見解は興味深かったです。
なお、この問題に関してはAERA dot.に詳しく言及されているようです。
野党の未来?
最後は質疑応答では、事前に提出していた自分の質問「野党を束ねられる人はいますか?その日は来るののでしょうか?」が取り上げられ、
即座に名前は上がらなかったものの、古賀茂明さんは「小泉進次郎さんが立憲民主党に入って鍛えられれば・・」(=実質いない?)
望月衣塑子さんは立憲民主党の蓮舫さん、長妻昭さんが予算フェチと称されるほど勉強はよくしており、
野党でも頑張っている人たちはいると、質問に対する回答ではないものの、トンネルの先の光とも感じられる部分は示されました。
重たき現実を考えてみる
当初は論議 50分、質疑応答 10分、その後、20:00からサイン会という構成であったように思いますが、
質疑応答が切り上げるような形で締められたのが、20:30という盛り上がり。
古賀茂明さんは昨年(2017年)6月の講演会以来で
その時の復習的な意味合い有り、望月衣塑子さんは初めてでユーモアにモノマネを交えた語りは事前のイメージとのギャップに印象的でもありました。
最後のサイン会では100名は超えていたとの参加者とのやり取りもあり、
本と同じく突きつけられた現実は重たいですが、著者を身近に感じる機会となり、
フロントラインで格闘されているお二人の言葉、見解に様々考えさせられる90分(+α)なりました。