ピン芸人小島よしおさんと農学博士 稲垣栄洋先生の共著『10歳から学ぶ植物の生きる知恵 最強無敵の雑草たち』を読了。
昨年(2023)末に開催された
刊行記念イベントの対象書籍にして2023年最後に購入していたタイトル。
イベント登壇の小島よしおさん目当てで、雑草への興味を有していませんでしたが、本を開いたところの「まえがき①」で稲垣栄洋先生が
” テレビで小島よしおさんの活やくを見ていて、いつも思っていたことがあります。
それは、「小島よしおさんは、雑草っぽい」ということです。
わたしは雑草を研究しています。そんなわたしが言う「雑草っぽい」は、ほめ言葉です。”(p4)
これを受けてか? 続く「まえがき②」で小島よしおさんが
” 共著者 稲垣栄洋先生との出会いは、『弱者の戦略』という本が最初でした。
・・中略・・
読んでみると、弱者とは雑草のことで、雑草の生き残り術は芸能界におけるボクの生き方とどこか似ている、そう感じました。”(p6/括弧書き省略)
と学術書的でなし汎用性感じられる書きっぷりに姿勢を前のめりにさせられ、タイトルに「10歳から」とある通り雑草19種についてのイロハが簡潔平易に説明され学べる内容になっています。
印象に残ったのは
“「雑草がアスファルトをつき破る」と言われるけど、ふつうはそんなことはない。
・・中略・・
アスファルトを突き破っているように見えるのは、アスファルトの割れ目に落ちたタネが、アスファルトのすき間に生えているのだろう。
アスファルトのすき間のような小さなチャンスをものにしているという点では、雑草のタネはとてもスゴい。
ほかの植物は、「とても生えることができない」とあきらめてしまうような場所で、しっかりと花を咲かせているのだ。”(p104)
と雑草についてまことしやかに伝わっていることの種明かしかと思いきや
” ほとんどの雑草は、アスファルトをつき破るなんてできない。ところが、ほんとうにアスファルトをつき破ってしまう雑草がある。
それがハマスゲだ。”(p104)
と、噂は本当だったのか!という点に、
” 特別な進化をとげた特別な植物だけが、畑の中に生えることができるのである。
だから、畑に生えている雑草は、じつはすごいのだ!
そして、メヒシバは畑の中にはびこる選ばれた雑草の中で、「雑草の女王」と呼ばれているのである。
メヒシバは、漢字では雌日芝(メスの日芝)と書く。これに対して、「オスの日芝」という意味の雄日芝(オヒシバ)という雑草もある。
オヒシバは、茎も太く見るからに力強い。ぬこうとしても、簡単にぬけないことから、「力草」と呼ばれているくらいだ。”(p74-75)
と本書を読むまでは雑草を一緒くたに捉え、種が多岐に及んでいることに考えが及ばず、それぞれに特徴があって、たんぽぽも雑草に含まれるといった点等に発見に学びを。
雑草について、そして雑草から・・
締めの小島よしおさんと稲垣栄洋先生の「雑草特別対談」では
” 稲垣 ただ、雑草はどんなに自由でも、ゴールだけは、はっきりしているんです。春に花を咲かせなくとも、すぐに芽を出さなくとも、最終的に子孫を残せればいい。
小島 自分が雑草だったらどうする? という視点で読んでほしいですね。そしたら、いままでとまったく違った発想で世界や人生をとらえられるかもしれない。”(p138)
といったやり取りがあり、私のように読み始めの段階で雑草に興味がなくとも学びを得るきっかけとなったり、雑草を通じてヒント得られるということも意図された著書となっています。