心理カウンセラー 心屋仁之助さんの新刊『がんばらない成長論』を読了.-
昨秋、心屋仁之助さんの本を読み始めた際は「(心屋さん本は)3冊」なんて思っていたところ、本書で6冊目。
購入の動機は、来月(2016年4月)開催予定のイベントに参加するための対象書籍であったためですが、
そこへわざわざ出かけて行こうとしているのは、本書のタイトルにもなっていて、心屋仁之助さんの著書のメッセージで一貫している「がんばらない」生き方に感化されているところがありますねー。
目標も努力もいらない、遺伝子に委ねる本来の成長
本書が心屋仁之助さんの通算何冊目の著作であるか把握していませんが、内容は今までに読了した本の内容に沿うもので、
大意を本書の序盤から拾うと・・
” 最初にお断りしておきますが、本書でお話ししていく成長とは、「ある一つの方向に向かって、がんばっていこう」という話ではありません。
進むべき方向などない。ましてや目標や努力なんてものもない。
ただ、なんとなく楽しんでいたら、いつの間にか成長してしまっていた。
そんな、ゆるゆるな成長論です。”(p16-17)
本書を通じて得られる効果として・・
” 目標を定め、一方向に進むという成長も、すばらしいと思います。
努力して、あるレベルに到達すれば達成感もあり、人生の充実を感じられますね。
ただ、これはあくまでも「今の自分の視野」がとらえる成長像。
僕としては、それとは別の、もう一つの可能性を示したいものです。
今の自分では、およそ理解できないような世界に飛び込んでみることで得られる、想像の範囲を超えた新しい成長の可能性、というものを。”(p17-18)
そのための絶対的なキーワードがあり、それは本書のタイトルにもなっている
” 成長しようとがんばることを、やめてしまう、ということ。思いもよらぬ成長が、ここから始まります。”(p20)
心屋仁之助さんが定義する「成長」とは・・
” ひとことで言えば、成長は、「しよう」と思ってするものではないからです。
放っておいても「してしまう」のが、成長というものです。
成長しようとなんてしないで、自分が楽しいと思えること、したいことをしているうちに、知らないうちに成長してしまう、のです。
それなのに、成長しよう、成長しよう、とがんばっていると、かえってその自然の勢い(本来の自分が持っているプログラム)を削いでしまいます。
だから、成長しようとするのをやめたとき ー つまり「成長に対する執着」を手放したときに、思いもよらぬ成長が手に入るのです。
でもそれは、「思いもよらぬ」ではなく、「本来の成長」なのです。”(p20-21)
” とにかく、大丈夫なんです。誰一人残らず、全員が。
なぜなら、成長するという遺伝子が、もともと誰にでも備わっているからです。
・・中略・・
人間も、植物と同じ。最初から成長するようにできているんです。
だから余計なことは考えずに、好きなだけ成長するにまかせていればいいのです。
ただ、止めなければいいのです。”(p46-47)
本来の成長をするために、やるべきたった一つのこと
本書で得られる「成長」を実現するために、著者である心屋仁之助さんがやったこと
” 一つだけ、僕がしたことがあります。それは、過去の自分と今の自分を全肯定すること。
中途半端ではいけません。
今までの自分、今現在の自分を、いいところも、ダメなところも100パーセント、いや、120パーセント、140パーセント・・・とにかく、全面的に、丸ごと受け入れるのです。”(p21)
その訳と『がんばらない成長論』の「論」の部分に、ご関心お持ちの方は、本書を手に取って頂いて・・ と思いますが、
以下では印象的であったところを2箇所、引用したいと思います。
自分主軸の「好き」か、他人主軸の「武器」か
” もし、本当にダイエットなどで美を追求することが「好き」ならば、どんどん実践して美しくなっていくでしょう。
本当に英語を勉強することが「好き」ならば、本を読むほど、英語能力は上達していくはずです。
要するに、それが「好き」ならば、どんどん成長していけるということ。
でも、それを彼氏ができるため、いいポジションにつくための「武器」にしようとしている限り、つねに、先ほど述べたような心理メカニズムが働きます。
「できるようになりたい」と望んでいるようでいて、じつは心のどこかでそれを拒んでいる。
そして、いつまでも「がんばりが足りない」が、つきまとってしまうのです。
「好き」か、「武器」か。
「好き」は自分が主軸ですが、「武器」は他人が主軸になっています。
自分が勝手に、好きでやっていることは、楽しいので、「がんばっている」という自覚すらないうちに、みるみる上達します。
でも、他人の価値観に受け入れられようとがんばってることは違います。
成長したとしても、結局は周囲の評価がよくないと、それにつられてまたがんばるしかないのです。”(p35-36)
努力が本来の成長を妨げてしまう、こともある
もう一つは・・
” いくら時代が変わっても絶対に揺るがない自信とは、なんでしょうか。それは「自分」という存在、そのものに対する自信です。
あれができた、これができたと、あとから付け加えていくものに対する自信ではなく、ダメ、できない、そんな自分でも素晴らしい、という自信です。
この不変不動の、根拠(結果)に左右されない自信が持てると、がんばる必要がなくなります。
根拠を積み上げなくていいので、「成長したい」と願うこともありません。
認められなくてもいいので、立派になろうと努力する必要もなくなります。
・・中略・・
成長しようとして行なった努力(足し算)が、本来の自分の脳力を妨げてしまうこともあると思うのです。
そう、果実がよく育つように肥料をやりすぎて、本来の能力を削いでしまうように。”(p74-75、78)
繰り返し学び、深化する心屋仁之助イズム
心屋仁之助さんの本をリピートしている自分としては、序盤に書いた通り、本書で綴られている多くが既読済みの内容で、
ただそれは悪い意味ではなく、読書が良き復習の機会となり、特に上記で引用した二箇所は、今の自分にとって感度高き内容でした。
また、期間を置いて読むと、別のパートが刺さってくるのでしょうが・・ それよりも、また新刊が出ると、買ってしまうのが早いか(笑)