心屋仁之助さんの『光と影の法則【完全版】』を読了。
と、先月末には読み終えていたので、9〜10月で心屋本を一気に5冊読んだことに。
もともとは3冊のつもりが、4冊目はサイン会に出るため、
5冊目(本書)は、先日読了した『ストーリー思考で奇跡が起きる』を一度読んだ後に、手元に置けるように買おうと思った際、
「内容は分かっているから安く買いたいなぁ」と、界隈の古本屋を回った時に、視界に飛び込んできたもの。
いろんなことで見たり聞いたりする「光と影の法則」は、同種と思わしきタイトルで、
その昔、美輪明宏さんの著書であったり(多分、読んだはず。けど内容はすっかり失念)
最近「読了後のおさらい」を続けているジョン・ディマティーニ博士の著作 ↓ に興味を持っていたり(=未読)で
関心のあったテーマ。
当初、買うつもりではなかったものの、同じ著者の本を一時期に読むことの効果もあろうと、定価の半値に魅力も感じて購入。
「感情は、その場で使い切る」の大原則
内容は、女性管理職の主人公が新任の上司との軋轢や、降格などにより職場をはじめ周囲から孤立していく中で
人生の原則ともいうべき心構え、法則について学んでいくことが小説仕立てにまとめられているもの。
本書から私が学んだ一番の事は、湧き上がった感情に身を委ねることの大切さ。
悲しい気持ちでも悔しい気持ちでも湧き上がってきたら、他の感情に紛らわせて、ごまかそうとせず、その感情に向き合うこと。
でないと、閉じ込めた感情が何かの機会に乗じて表に出てきて、自分自身や周囲との軋轢を生むことになる。
本の表現から引用すると
” 要するに、私が心の中で嫌がっているモノが、目の前に映し出されるから嫌だと感じるんだって “(p127)
というもの。
これは当然のごとく、個々人で違うもので
” それぞれ人の中にある反応するものが違うってことなの。だから自分たちの中にある『その反応する種』を解決しないと、問題はいつまでも起こり続けるんだって。
嫌な人って、どこに行ってもいるじゃない。それが『自分が反応する人』なの “(p129-130)
この視点を持っていると、日常生活を送る中で、自分がどんなことに反応しているかに意識を向けることによって、気づきを得られそうです。
具体的にこの状況に直面すると、それが言動なり、行動なりで表されるとのことで(人それぞれ反応するポイントが違うので、相手は何とも思っていないことも想定される)、注意が必要です。
その過程を一冊の本で読むと「なるほど」と腹落ちし、「これは使える心掛け(=湧き上がって感情に浸る)だな」と。
本の別の箇所(表現)から引用すると、
” 人間は、目の前の人に言いたいことではなく、遠い昔に言い忘れたこと、言えなかったこと、その終わっていない感情を思い出そうとしているだけなんです。”(p139)
だから、感情は押し殺すのではなく、しっかりその場で使い切ることが大事。
” 何かに腹が立つときは、その前に必ず「本音」があります。つまり、自分が何に対して怒っているのか、そして本当は何を言いたいのか、それが「わかって欲しいこと」(本音)です。
かっこ悪くて言えないことかもしれないね。でも人間は、なかなかそれを言えなくて、いい人や物わかりのいい人のふりをするんだよ。”(p141)
自然の摂理、常に一対を成す「光と影の法則」とは?
タイトルにある「光と影の法則」については・・
” 強烈な光を浴びれば浴びるほど、その反対側に強烈な『影』ができるの自然の摂理です。
それは法則として、人間界にもそのまま当てはまるものです ・・中略・・
「光」を追い求めているときは「影」の存在を否定するために、人生全体のバランスが崩れる。
そのバランスを取ろうとして、「影」がさらに大きくなるのだという。” (p52-53)
このことの実例が、本の中でストーリーとして説明されているわけですが、常に振り返るべき原点は、自分がその主体(=身のまわりに起こる原因は、すべて自分にある/p189)であること。
この法則が理解出来ずとも、周囲との関係を心地良くにするに、すぐ実践出来ることとして
” 「素直になればいいんだよ。かっこ悪くても自分の気持ちを素直に言えばいいんだよ。つらいときや悲しいときの自分のネガティブな思いをそのまま伝えればいいんだ “(p96)
というのが一例。これを受けて
” 「自分の素直な気持ちを伝えたら、それを聞いてどうするかは、相手が決めることなんだ。それは受け止めるしかない。
それを自分のものさしで勝手に期待して、自分の思い通りにしようとするからケンカになるんだ。期待しないことも大切なんだよ」”(p98)
というのが、あるべき姿。本の最後では「本当の問題」の解決7ステップとして手順の掲載があり、更に興味がある方は原書で確認下さぃ。
今、この感情にワケあり
本書を買う決め手になったことは、帯に書かれてある
” 僕の考えがすべて詰まった一冊です “
の一文のストレートさにも後押しされたことを思い出しましたが、人が常に内面で涌き上り、向き合わねばならない感情には
一つ一つ必然性があり、看過出来ないものであること。それら一つ一つに丁寧に向き合うことで
心の中でほつれた糸が解けていく(=心が軽くなる)。
そのヒントが本書で示されており、思わぬ縁で手にすることになった、ちょっとした良き出逢いでした。