コロコロチキチキペッパーズ ナダルさんが本音で生きるまでの軌跡に惹き込まれた:『いい人でいる必要なんてない』読了

コロコロチキチキペッパーズ ナダルさんの初エッセイ『いい人でいる必要なんてない』を読了。

先月(2022年3月)開催された ↓

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発売記念オンライントークショーの対象書籍としてサイン本を入手していた経緯。

本音で生きる術を獲得するまでの葛藤

本書は、

” 最初担当の方に「ナダルさんの考えや生き方について教えてほしい。ナダルさんには、この不安定な世の中を強く生き抜くヒントが隠されている気がする」”(p19)

とのオファーを受け上梓に至った著書で、

” まわりの目を気にしまっくていた若かりし頃の僕。正直ここまで強靭なメンタルを手に入れられたのは、芸人になって成功するために強制的にでも自分を変える必要があったからだと思います。”(p19)

との現在地に至るまでの

” 昨日、僕が怒った女子は学年でリーダー格のような存在で、まわりに強い影響を与えていた。こうして僕へのいじめが始まった。”(p36)

という長きに及んで暗い影を落とした中学生時代のいじめに、

” 人と上手くやっていくために身につけた処世術は、大人の社会ではおかしな人に映ったらしい。

自分では何がおかしいのか分からなかったけど、多くの大人たちがそう指摘するということは、それはもう紛れもない事実だったんだと思う。”(p65)

と苦き経験から見出した術は思わぬ方向に進み、漬物屋勤務時代の上司を巻き込んだやっちまった系のことなどが語られ

” そんな頃だった。一人の友だちが僕に「お前、おもろいんやから、お笑いの道とか目指してみてほしいけどな」と冗談のように言った。

自分の人生じゃないからって好き勝手言いやがって。お笑い芸人になんてなれるわけないだろ・・・ なれるわけないのか?  いや、なれるかもしれない。

今までの人生を思い返し、思考が逆転するまでにはそう時間はかからなかった。”(p71)

との転機に一転、吉本興業の芸人養成所 NSCの門を叩き、

購入本に書かれていたサイン

出演した舞台で、翌月の出場権を失うペテルティを喰らうワーストの評価を繰り返し下されるなど、底辺の苦しみを味わうも

” そんな僕に、今の相方の西野がコンビを組もうと声をかけてきたのは、芸人になって2年目の頃だ。”(p87)

と、現在のクズ芸人として不動の地位!?を獲得するまでの軌跡が半生記のような形で綴られています。

コロコロチキチキペッパーズの絆とホーム感

印象に残ったのは、上掲のトークイベント時と同じくコロコロチキチキペッパーズ相方の西野創人さんとの絆、信頼感。

“「なぁ、コンビで俺だけ売れて不満じゃないん? 本当は自分もテレビに出たいと思ってるんちゃう?」

「ヒデさん、コンビで一人がテレビに出られてるだけで御の字やで。一人がテレビに出てるおかげで営業に呼ばれて、結果的にコンビでの仕事もできてるんやから、それでええやん」”(p104)

と、

ナダルさんと

ここに至る道程は・・

” 西野に誘われてコンビを組み、西野が決めた芸名を名乗り、西野が書いたネタで笑いをとる。まるで操り人形だと思う人もいるかもしれないが、僕はこれでいい。

実力がない僕をここまで連れてきてくれたのは、間違いなく西野だ。西野がいなかったらコロチキは生まれなかったし、ナダルという芸人も生まれなかった。”(p93-94)

とナダルさんが紐解くながらも滲むコンビ愛で、確立したクズ芸人も

” 本当のことを言うと、僕は根っからのクズではない。信じてもらえないかもしれないが、僕はクズ芸人というキャラクターを演じている。”(p132)

と覚悟の問題で、上記↑が(複数の後輩芸人からの証言を通じ)本心であることが伝わる内容で、トークイベント時、芸人さん仲間の評判がすこぶる良いようなお話しをナダルさんはされていましたが、そのことに頷かされるクオリティでありました ^^


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