建築家 光嶋裕介さんの『ここちよさの建築』を先月末(2023年7月)に読了。遡ること4月、Twitter発信で
本書に関してお声がけ頂き、発売を知り狙いすまして
サイン本の入手叶っていた経緯。
建築、住まうこと とは・・
本書は、
” 私たちは生活の基本である「着ること」や「食べること」に関して、さまざまな価値観やそれを語る言葉をもっています。
「お気に入りのジャケットを着たらシャキッとする」「通気性に優れたこのシャツが気持ちいい」「あの店のロース豚カツを食べるとなんだか元気が出る」ー 。
では、「住まうこと」についてはどうでしょうか。”(p.004)
と冒頭の「はじめに」で提起され、本編で
第1章 そもそも建築って何?
第2章 建築を読み取ろう
第3章 身体で建築を感じよう
第4章 ここちよい住まいのつくり方
の目次立てに沿って、
” 建築は人間の意図を伝達する媒体なのです。だから建築はモノであると同時に考え方でもあるということです。”(p.030)
に、
” 大切なのは、建築を自分なりに翻訳してみること。わからないなりに、自由に解釈してみること。それをただ続けることです。
自分にとってさまざまな意味をもち得る建築や空間からのインプットに対して自覚的になり、何がどうだったかということをその都度自分になりにアウトプットしてみることが重要なのです。”(p.048)
或いは
” あらゆる感覚の中から自らのここちよさを発見する。外の世界に対しても内なる自分に対しても、感覚を開いていくことが自分のここちよさにつながると僕は思っています。”(p.072)
と、日ごろ意識していようとおらずとも我々の暮らしに不可分ながら建築及ぶ住まうことに関し、
表紙に「学びのきほん」と掲げられた通り、建築を専門せずとも漠然と興味を持っている私のような立場にも分かりやすく平易な表現でイロハのイから要諦が100ページ程度に端的に紐解かれています。
光嶋裕介さんが合気道をやられていることもあり、上記引用を含め散見される建築と身体(≒感覚)の融合(のさせ方)といった視点も興味深く、一見とっつき難さも抱いてしまう建築との距離を近づけられ、住まう力を高める誘(いざな)いの書です。