小山竜央さんの『ストーリー思考で奇跡が起きる』を読了.-
小山さんの肩書きは講演会コンサルトとなっていますが、私が小山さんを知ったのは2月に受講した「ミリオネア・マインド・インテンシブ」で
そこで短時間、小山さんが登壇され、その内容が鮮烈(「〜すれば必ず〜なる」といった論法)で記憶に残っており
図書館で本書の前に差し掛かった際、「おっ、あの時の!」と当時の記憶が蘇り、その場で一気に本書を読破。内容を気に入り、購入して再読といった流れ。
奇跡は脳の仕組みを理解することで誰しも起こし得る
書かれている内容は、
” 奇跡というのはすべて「脳の仕組み」を理解することで誰もが起こせる「現象の一つ」にすぎません。”
との前提に立ち、本書が刊行されたのは
” 高確率で結果を出すための方法を教えたいと思います。”(p2)
という役割を遂げるため。同様のテーマで出版された本は珍しくないですが、本書が類書と一線を画すのは
“「行動していないから結果が出ない」という話 “(p3)
に真っ向から対峙。更に世の中で多くの人が
” 「役に立つこと」を学び、その通りに行動をすれば、結果が出るー。そう思い込んでいることです。”(p5)
という事象に対して、
” 真実は全くの逆です。”(p5)
と、小山さんが、
” 講演会プロデューサーとして、世界中の成功者や各分野のパイオニア、一流と呼ばれる方々の講演会をプロデュース “(p5)
各分野で傑出した成果を出された方々と触れ合われたご経験から、まことしやかに浸透している誤解を正していく形で内容が進行していきます。
今必要なことに絞る原則
まず、それらの成功者やパイオニアが、行動について、どのように認識しているかというと・・
” 成功者や奇跡を起こす人たちは「役に立つこと」を学ぶのではなく「今必要なこと」だけに絞って学ぶのです。
そして、「今必要なこと」を得るために重要な「人物」を探し出します。”(p7)
成功者といえども、
” 4年ほど経って話を聞いてみると、すべてを失い、また1から出直している方が9割以上もいるという事実です。
10年経って成功し続けているような人はわずか1%ほどしかいません。つまり、成功者の中でも「真の成功者」は1%しかいないのです。
この決定的な違いが現れる、たった一つの原因があります。それは・・・、
「人生の脚本」を作っているかどうかです。
人生の脚本とは、自分の心に向き合い、本当に大切な行動が何かを見極めていくことです。
それを手に入れるために知っていただきたいのがストーリーの力です。”(p7-8)
ここに本書のポイントがあり、以降、約200ページに渡って、人生で奇跡を起こすべく「人生の脚本を作る技術」についてのノウハウが説明されています。
そこには段階ごとで起こる問題についての捉え方についても言及されていて、実体験がもとになったリアリティを感じることができ、
そこに私が一度、読み終えた本でも、手元に置くべく購入した理由があったのだと思います。
目標ではなく、決めるべきことはテーマ
ここでは本書で学んだことの中から一つ取り上げたいと思います。
多くの人が「変わってやる!」と意気込むも、程なくつまづいてしまうのは
” 自分を変えていくための手段として、大多数の人たちが「目標」を掲げてしまっているからです。これが間違いの始まりとなるのです。”(p16)
目標ありきで成功に向かうと、最初の一歩でつまづいている事例が多く(本書では「9割の人は問題が起きるとフリーズする」と指摘)、
更に「何日までにこれをやるべき」という目標設定をしていた場合、日を追って「やらされている感」が強くなり、挫折する人が続出する事態を招くと。
その道程を歩まぬために奨励されているのが
” 本気で自分を変えていこうと願うのであれば、「行動」にフォーカスするのではなく、自分にとっての「テーマ」にこだわらなくてはいけません。”(p26)
と、「テーマ」を掲げることに世の誤解を解く回答が示されています。
” テーマを持つことができれば、仮に目標がかなえられなくても、落ち込むことはありません。
なぜなら、目標はテーマの達成に至るまでの通過点であり、それがゴールではないからです。
いざテーマを設定すると、今度はそこに行き着くまでに様々な出来事や問題が起こります。それらが生じていく過程は、まさにストーリーそのものです。
重要なのは、そうした場面であなたがどのような対応をし、その後のストーリーをどう展開させていくかです。”(p27)
” 目標達成思考と違い、ストーリー思考では問題が必ず起きることが前提です。しかしそれは、人生では当たり前のことなのです。
肝心なことは、それらの問題を解決するための考え方を身につけておくということ。
そうしておけば、問題が起きても慌てることはありませんし、問題が起きたとしてもそれを容易に乗り越えることも出来るようになります。”(p28)
奇跡を起こすための条件
本の最後(「おわりに」)では、成功者と言われる人たちにユダヤ人が多いという話しに関連して
” ユダヤ人には確かに成功者が多いのですが、その理由を聞くと、どうやら「安息日」があるからだそうです。
ユダヤ人にとって「安息日」とは、いかなる仕事も一切せずに、心を落ち着かせて静かに過ごす日で、ユダヤの格言に「安息日がイスラエルを守った」というものがあるくらい聖なる日と言われています。
この安息日ですが、言い換えるのであれば、静かに自分の心に向き合い、本当に大切なものが何かを見極め、人生のストーリーを作り直す日でもあるということです。
現代人の多くは、ストーリーを作る時間すらも惜しみ、自分にとって本当に大切なものが何かを見出せないまま、ただ目の前の日常をこなしていく ー 。そんな多忙な日常を送っています。
かたや、ストーリー思考を持つ人は、常に「最も大切なことに、最も集中」をし、そのために必要な「イベント」を起こします。
そして次々に、周りの人が驚くような奇跡を起こし続けるのです。
・・中略・・
この世界はすべてが「仕組みと法則」で成り立っています。ただやみくもに行動をするのではなく、静かに考える時間を作り、奇跡を仕掛ける準備を淡々と行なう。
そして、人生をかけた壮大なストーリーを描き、夢を叶え続け、そして時には死後にも語り継がれるような世界を作ります。
自分だけのオリジナルの「世界観」を作り出し、想像したものを叶えることができる。”(p204-206)
こちらに再訪頂いている方々には繰り返しとなりますが、表現方法は異なれども、ストーリーに生きることの大切さは神田昌典さんが
使命に生きることの大切さは池松耕次さんが
自分の心に向き合うことの大切さは
高城剛さんが、それぞれ説かれていることで、それらの方々のメッセージが重層的に下りてきて、
本書を読み進めるプロセスで想像力を掻き立てられる感覚を得られ心地良かったですが
本書一冊を単体で読んでも、段階ごとのプロセスが明示されており、「変わる」ためのヒントは随所に得られるものと思います。