NPBで投手として224勝、監督としてチームを5度日本一に導いた工藤公康さんの『プロフェッショナル投手育成メソッド 一流選手へ導く ” 投球メカニズムとトレーニング “』を読了。
当初、サイン本の稀少性に反応して、読むことまでは想定していなかったものの、とりあえずとチラ見してみたところ・・
(主たるテーマである投手育成の関心はないながら)興味深い記述もみられ「読んでみようかな」と方針転換。
本書は
第1章 投手に必要な3つの柱
第2章 ピッチングにおける運動連鎖
第3章 技術習得のためのトレーニングピラミッド
第4章 投手に走る意味はどこにあるのか?
第5章 オフシーズンとシーズン中のコンディショニング
第6章 試合で勝つための投球術
第7章 医科学をどのように生かすか
と章立てされ、
” とにかく、投げる。投げて覚える。反復練習でなければ、身に付かない技術が必ずある。
なぜなら、反復することでしか、脳から筋肉への神経回路を作ることはできないからだ。”(p30)
という(練習の合理性/強化目的が明確化された上で)大前提から
” 基本的なメニューを高い意識で反復するのは想像以上に難しいこと。地道に取り組んだ先に、試合での活躍が見えてくる。”(p73)
アウトプットとして結実してくるという流れに、
“「自分が行った動きやトレーニングは、代償動作なども含めて常にインプットされ続ける」。それは決して、良い動きだけでなく、自分が望んでいない動きまでもインプットされることになる。”(p83)
闇雲ではなく、正確に鍛えていくことで強化されるとの原則に、
” 技術的観点で打者を調べるとき、私が最初にチェックするのは、「自然にバットを振れるコースはどこか?」ということだ。打者には、意識をせずとも、自分の形で素直にバットを振れるコースが必ず存在する。”(p170)
というフィジカルに限らず、野球脳に関する内容に。
身体の部位等(前提知識を求められる)専門的記載も含まれ、読者を選ぶ著書ではありますが、
野球人(選手及び指導者)として傑出した実績を残された工藤公康さんの礎に迫れる稀少性は高いといえるでしょう。