建築家 隈研吾さんの『点・線・面』を読み始めて
方法序説
点
線
面
と章立てされているところ、(はじめに と)方法序説を読み終えたので、そこまでのおさらい。
長らくサイン本を探していたところ、(2020年)3月中旬、タイミング良く入荷情報にアクセスでき
入手叶っていた経緯。
建築とは、そして隈研吾さんは・・
小さめの字でびっちり書き込まれている様子から構えたようなところありましたが、
実際、読み始めると、ハードルの高さを感じながらスロースピードで全体の4分の1程度まで。
書かれてあることは、例えば
” 二〇世紀の建築デザインのリーダーであり、コンクリート建築のチャンピオンでもあるル・コルビュジエ(一八七七 – 一九六五)は、日本を訪ね、桂離宮を見せられた時に「線が多すぎ」とつぶやき、嫌悪感を示したと伝えられている。”(p.006)
という具合で歴代の名建築家が引用されての建築史に、
” 自分のやっていることを一言でまとめると、ヴォリュームの解体ということになるのではないかと、最近考えるようになった。
ヴォリューム(着眼)を、点・線・面へと解体して、風通しをよくしたいのである。
風通しをよくすることで、人と物を、人と環境を、人と人をつなぎ直したいのである。”(p.003)
と隈研吾さんご自身が体現している建築に。ハードルの高さと書いたのは
” 環境とは、点・線・面の構成ではなく、点・線・面が作る肌理であると、僕が考えるに至ったきっかけは、ギブソンから与えられた。
肌理という概念を教わったことで、点・線・面が、従来の構成主義的アプローチとは全く違った姿で、僕の前に姿を現したのである。”(p.012)
或いは
” 僕にとって、時間とは単なる連動ではなく、すべての物質の中に内臓される存在であり、物質を通じて、宇宙と時間とは分かちがたく、つながっている。
木や石といった具体的物質が、時間の関数として空間の中を漂うのである。それは、ささいな姿見のようではあるが、長く宇宙的な射程を持つ大きな姿見である。”(p.028)
といった物言いにありますが、本書について
” ヴォリュームを解体する方法の探究であると同時に、建築家という存在を解体する方法の提案でもある。”(p.023)
更に
” 点・線・面という三つのカテゴリーに分けて、弦の振動を記述した。点・線・面と分類することが本書の目的なのではなく、むしろ全く逆に、それらがすベて振動であり、その現われであり、それゆけ決して点・線・面と分けることができないことを、明らかにしたいのである。”(p.049)
と説明されています。
What 隈研吾 is
建築家とは日常でもよく耳にして、認知されている職業ですが、隈研吾さんとなると
手掛けるスケールも大型で、歴史からの評価をも受ける立場であろうことから
「哲学の域まで昇華した(と思われる)考えが、一つ一つの仕事に投影されているのかなぁ」と。
さっぱり門外漢である建築の世界ながら、長く興味を抱かせられている分野でもあり、
世界的評価を獲得している隈研吾さんの頭の中を覗き見れるこの機会、楽しみにしたいと思います。