栗山英樹前監督が記した書を通じ学び遂げたWBC制覇への軌跡:『栗山ノート2 世界一への軌跡』読了

侍ジャパン栗山英樹前監督の『栗山ノート2  世界一への軌跡』を(阪神タイガースが18年ぶりにリーグ優勝を決めた日に)読了。

二週前に読み終えた『栗山ノート』は ↓

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北海道日本ハムファイターズ監督在任中に書き上げられたものでしたが、本書は

“侍ジャパンがWBCで優勝したことには、たくさんの意味があると思います。そのなかのひとつに、「これまでの学びを伝える」というものが含まれている、と理解しました。

私を励まし、勇気づけ、奮い立たせ、支えてくれた言葉をもう一度まとめて後世に伝えることは、侍ジャパンの監督を任された私の使命なのだろう、と。”(p7)

と冒頭の「はじめに」に記されている通り、侍ジャパン監督としての舞台裏が、書から引用された言葉を交え振り返られた構成。

“「起こる事項に幸不幸はなく、それをどう捉えてどう生かすかによって、幸不幸が生まれる」と言われます。私は『易経』に収められている「窮すれば、すなわち変ず、変ずれば、すなわち通ず」の心境でした。手を加えられないことはあったけれど、それが変化をもたらし、おのずと道が開けてくる、と。”(p46)

といった(本書らしい)引用された言葉もさることながら

” ダルとマスグローブは、先発の二枚看板です。チームから連絡を受けた彼は、自分までいなかったらローテーションが回らないと考え、侍ジャパンを離れる可能性について相談をしてきたのでした。”(p224)

と本書を読み進めるほどダルビッシュ有投手の侍ジャパンの果たした役割の大きさを実感させられる中、実は準決勝前にチーム離脱の可能性も抱えていたという振り返りに、

” 私の宣告に、栗林は全身を切り裂かれた気持ちだったに違いありません。彼は何も言えずに立ち尽くしています。

日本を代表する作家の五木寛之さんは、「本当に悲しいとき、人は横にいて寄り添うことしかできない」と言います。クリにとっていまがまさに「本当に悲しいとき」です。私は彼が納得するまでその場に居ます。”(p191)

と大会中に腰痛を抱え(栗林良吏)選手 の将来を考え非情のチーム離脱宣告をせざるを得ない状況に直面してしまった時の生々しい舞台裏に・・

購入本に書かれていたサイン(+落款x2)

映像にネット記事では知り得なかった興味深い事実が幾つも記されており、ファンとして栗山英樹前監督が意図された通り重みを伴った内容で約280ページぐっ〜と惹き込まれ、春に実感した感動(=WBC制覇)が改めて蘇ってくるかの思い、何より野球への思いを深めさせられた一冊となりました 🙏


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