俳優 草刈正雄さんの『人生に必要な知恵はすべてホンから学んだ』を読了。
Twitterでサイン本販売情報に触れ、
その日のうちに書店に駆け込み、入手していた経緯。
役者 草刈正雄を実現した台本と台詞
本書は、
第1章 役者は台詞から決まる
第2章 役者は脚本家から生まれる
第3章 だから役者はやめられない
第4章 名台詞ここにあり
という章立てのもと、てっきりホン(=台本)に特化した内容かと思いきや
それに該当するのは第4章で、『真田太平記』『真田丸』『なつぞら』の台本から思い出の台詞が
” 「では、おのおの、抜かりなく」
・・中略・・
最も好きな台詞のひとつですが、最も愛された台詞であります。
大河ドラマ放送後、訪れる先々でリクエストが絶えませんでした。
「あの台詞を、ぜひ」と。
・・中略・・
声のトーンひとつで、その場の空気を変えられるのが名台詞たるゆえん。
叫ばすとも浸透する、言霊の力です。”(p156-157)
といった具合で、注釈、思い入れが綴られています。
他章は、母子家庭で過ごされた幼少の頃からモデル、俳優とキャリアを重ねていく過程について記載され、自伝的構成も読み取れます。
私的に草刈正雄さんと云えば、何を置いても『プロハンター』で、思い入れのほどは、ご本人を目の当たりに出来る機会に恵まれた際 ↓
直接伝えることが出来ましたが、
本書はその頃の言及はなく・・ ストライクゾーンとしては近年の代表作『真田丸』を視聴されてのファンといった様相で、
同作の蚊帳の外であった自分としては、台詞、シーンへの感情移入敵わず、、。
二枚目俳優、そしてそこからの・・
それでも出演ドラマの放送に熱中した者の一人として、草刈正雄さんの
” 時代の空気には、潮目があります。『汚れた英雄』が終わった頃だったか、「もう、草刈じゃないだろ」。現場の雰囲気が変わっていくのが感じられました。
新しい映画やテレビドラマのオファーはその後も続きましたが、もう主役ではない。役どころがどんどん小さくなっていくわけです。”(p35)
といった足跡に触れられたのは興味深く、三谷幸喜さんをはじめとする脚本家に、
” ホンのお陰でいまの自分がある。完璧な台本のなかでは、役者はそこで生きればそれでいい。”(p3)
と断言するこれまでの台本との出会いに、草刈正雄さんの役者道の断片に触れることの出来る著書でありました ^^