書店内で「何か、あるかなぁ・・」と物色していた際、タイトルに反応した
『お金は「歴史」で設けなさい』を読み始めて
第1章 100年単位で株価はこう動く
第2章 インフレ時代を前に知っておくべきこと
第3章 戦争と株価の不都合な真実
第4章 バブルは利用するもの
第5章 イノベーションで儲ける鉄則
第6章 金と石油、そして通貨をめぐる攻防
第7章 長期投資は安全に儲かるのか
第8章 未来を見据えた投資戦略
と章立てされているうちの第2章まで読み終えたので、そこまでのおさらい。
なお、著者の加谷珪一さんは、
” ビジネス系の出版社で専門記者をした後、投資ファンドで調査や運用の仕事に従事していました。
その後、独立してリサーチ会社を設立し、金融やITの分野で調査・分析・コンサルティングの仕事を行ってきました。”(p8)
という経歴の持ち主。
歴史を抑える意義
冒頭、「はじめに」で
” 経済というものが人の活動の集大成である以上、過去の出来事との類似性が出てくるのは、ある意味で当然のことです。”(p6)
” 歴史で得られた知見は、決して古くなることはありません。同じようなことを人は繰り返すからです。”(p7)
” 投資の世界で勝ち続けるには、自分の感覚や他人の意見だけに頼っていては危険であり、歴史という客観的な英知を利用する必要があるのです。”(p8)
といった前段を受け、本編では
” 株価というのは、短期的にはランダムに動くことで知られていますが、ある一定の期間、トレンドを形成することも分かっています。
これは長期も長期でも同じで、株式市場には約20年程度の長期的なトレンドが存在します。”(p30)
或いは
” 経済ジャーナリズムの世界では、思い切った人員整理と企業のビジネスモデルの変革が必要という論調が出てくる一方、
こうしたやり方は、欧米流のグローバル資本主義への迎合だとして、これに反発する声も高まっていきました。
まさに今でいうところの、構造改革派と保守派(抵抗勢力派)の争いということであり、現在の日本と驚くほど状況が似ているのです。”(p36)
といった史実から
” 円安の進行は、輸入物価の上昇をもたらし、最終的な物価の上昇圧力となります。物価の上昇は円安要因ですから、これは相乗効果をもたらすことになるでしょう。
こうした理由から、日本は今後、インフレが進む可能性が高いと考えられるのです。”(p67)
に、
” 物価が継続的に下落するデフレの時代であれば、企業は販売数量を維持するため、商品の価格を下げることで対応します。過去20年間の日本はそのような状況でした。
しかしスタグフレーションの時代はそうはいきません。原材料費が値上がりしているので、企業は商品の値段を下げることができません。
内容量を減らすといった実質的な値上げが相次ぎ、一部の商品は、販売不振であるにもかかわらず値上げが実施されることになります。”(p71-72)
といった日本が辿るであろう具体的な見通しが明瞭に示されています。
変わりゆくこと、変わらぬこと
本書のタイトルに反応した経緯は、日々、報道のヘッドラインを飾っている新型コロナウィルスに関して、
「人類は疫病との戦いとの歴史だ」といったコメンテーターの発言を複数回耳にし、
被害を被っている多数の人たちがいる一方で「儲けている人たちもいるんだろうなぁ」という思いが過ぎり、
人類が辿ってきた変わらぬ歴史、法則といったことへの関心が高まっていたことがありましたが、
書かれてある具体的内容の説得力高く、中、後半に書かれてある史実、見立てへの興味をかき立てられています。