京極夏彦さん、多田克己さん、村上健司さん、黒史郎さんによる共著『ひどい民話を語る会』を読了。
先月(2022年11月)初めに参加したイベントで↓
会場売りされサイン目当てに購入していた著書。
文学にならざるに分類された・・
本書は
” よくできた話は文書化され、さまざまな文学になりました。
そうでもない話 ー 爺ちゃん婆ちゃんの適当な話は、民俗学者に採集され、分類されました。
・・中略・・
聞き手を喜ばせるためなら、爺婆のサービス精神はどんどんエスカレートしていくんです。
結果的に取り返しのつかないものが生まれたりもします。囲炉裏端にはコンプライアンスもポリティカル・コレクトネスもないんです。そしてー。
ひどい民話が誕生するんです。”(p10-11)
という背景から、民話に精通されている?既述の四方によって不可思議、意図不能といった民話の数々が紹介されているもの。
「ひどい」の文言がタイトルに冠されたのは
” 村上 話は変わりますけど、話を面白くするための小道具的なものとして、やっぱりウンコとかオナラって選ばれがちだと思うんです。そもそも子供たちがウンコとかオナラとかの話って、喜ぶじゃないですか。”(p032)
との引用でニュアンス伝わるかと思いますが ^〜^;
学術的な範疇で語れず、或いは後世に残されることを念頭に置いていなかった生々しき昔話しの数々が一まとめにされ、
令和に及んで広く語り継がれることになった、資料的価値を有した著書であるものと。