ノンフィクション作家 田崎健太さんの新刊『真説・佐山サトル タイガーマスクと呼ばれた男』刊行記念イベント参加。
特に今年(2018年)に入って格闘技界のレジェンドを目の当たりに出来る機会に恵まれていますが、
私にとっての佐山サトルさんは、タイガーマスクがデヴュー後、程なく社会現象にまで発展し、
私自身も、その超人的な身体の動きに、「一体誰なんだろう?」といった好奇心も相待って
毎週金曜夜のワールドプロレスリングを楽しみにしていた、ほぼプロレスの原体験と呼べるアイコン(存在)。
ヒーローが担った宿命と封印されてきたこと
第一部は佐山サトルさんと田崎健太さんのトークショーで、第二部が対象書籍:『真説・佐山サトル タイガーマスクと呼ばれた男』のサイン会。
トークショーでは田崎健太さんが、出版の経緯についてお話しされ
『真説・長州力』を書き上げた後、「次は誰を書きたいか?」との問いに「佐山サトル」だと。
「タイガーマスクではなく、佐山サトルについて書きたい。(佐山サトルさんにとって)嫌なことも全部書きます」と田崎健太さんご自身、挑戦状と称する手紙を佐山サトルさんに宛てて
しばしの時間を経過を得て、本書に先行する形で連載がスタート。
当初、佐山サトルさんの名前が上がった際、ある種、アンタッチャブルな存在として、誰も近づかない雰囲気があったところ
田崎健太さんが、まず佐山サトルさんの故郷である(山口県)下関市に飛び、佐山サトルさんのお兄さまを訪ねるなどしてスタート。
取材期間は2年半にも及んだそうですが、佐山サトルさんが強調されていて印象的だったのは、
「私も知らないことが書いてある」と、その丹念な取材ぶりに驚愕されており、
佐山サトル x 田崎健太『真説・佐山サトル タイガーマスクと呼ばれた男』刊行のお知らせ
「死んでから分かる」と思われていたことが、本書によって次々と明るみになったと。
対して、田崎健太さんは、(プロレス界に、格闘技界に)守るべきことがあまりにも多く、非常に誤解の多い人であると。
この点に関しては、佐山サトルさんご自身も、例えばタクシーなどに乗車された際、
運転手の方から握手を求めるのも恐れ多いと恐縮される人に、泣き出してしまう人に・・
ご自身がタイガーマスクとして人々の期待、夢を担って生きてきたことは十分に分かっており、それは当然のこととして守られるべき(=舞台裏を口外するべきではない)だと。
佐山サトルさんの苦悩の断片は本書で迫ることが出来るものと思いますが、
ご自身は今、武道について他人が思っている以上に本格的に取り組んでおり、神髄に迫る期待感を持たれているとのことで、
新しいステージで、また伝説のつづきを更新されている様子を実感でき、凄みと嬉しさが湧いてきました。
佐山サトルさんが遺した伝説の軌跡
田崎健太さんの著書は、5月に読了した『真説・長州力』に次いで二冊目。
同書では長州力選手の人間臭さ、それまで抱いていた印象を覆すほどの感覚を得られたので、
佐山サトルさんについても、同様の体験が得られるであろうと、
今朝から読み始めて現在、第十五章まであるうちの第二章までを読み終えたところ。
これから自分の脳裏に刻まれていることや、生々しい描写が飛び出してくるものと、期待感高まっている状況ですが、
今回のイベントを通して本書の主人公と著者と交差する機会を持てたことで、より思いを深くして読み進めていくことが出来そうです ^〜^