万城目学さんが管理人を担った雑居ビルで膨らませた妄想の果て:『バベル九朔』読了

小説家 万城目学さんの『バベル九朔』を読了。

(2021年)6月、西荻窪の今野書店で開催されていた万城目学さんの『ヒトコブラクダ層ぜっと』刊行記念フェアで

出典:万城目学さんTwitter(画像はTweetにリンク)

購入していた

サイン本目当てに今野書店を再訪し・・ 出典:万城目学さんTwitter(画像はTweetにリンク)

2冊のうちの1冊。

入手叶ったサイン本

夜明け前の時期を過ごした・・

舞台は、

” 大学卒業後に勤めたハウスメーカーの事務職を三年で辞め、俺は単身この街にやってきた。おばが退去し、空き部屋になったばかりの五階に社員寮から荷物を移し、バベルの管理人となることを一方的に宣言した。”(p20)

という

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先月(2021年9月)読んだ『べらぼうくん』にある万城目学さんの人生の転機を迎えた雑居ビルに着想を得たであろう作品。

拡がるスケール

当初は、管理人とテナント間の交流、人間模様といった次元が、

盗難事件が発生し、ビル(=バベル)に出入りする人物に疑惑の目が向けられ、やがて

“あろうことか、あの女は俺の「大長編」を奪っていったのだ。

俺の部屋なのに、俺の部屋ではない眺めを前に呆然と立ち尽くす。小説新人賞の応募原稿を、締め切り当日に盗まれてしまったー。

このあらすじだけで短編小説が書けそうだ。違う、そんなことを考えている場合じゃない。まず警察に通報だ。

だが、通報したところで原稿はすぐには返ってこない。今日発送したという消印が必要なのだ。”(p142)

なる事態に発展し、原稿を取り戻すべく行動から時空を超えた展開に発展していくという大掴みの流れ。

駆使される想像力

帯で、TVドラマ化されていたことを承知していて、

本書、帯

本作を選んだきっかけにもなりましたが、

映像化された履歴から当初は現実性の高いストーリーかと思いきや・・ 存分にファンタジー入り込んだお話しで

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想像力駆使されるところは、「やはり『ヒトコブラグダ層ぜっと』の著者さんだなぁ」と、強く実感させられました ^^


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