マリオ・ルチアーノさんの著書『ゴッドファーザーの血』が
全部で6章まであるうちの第3章まで読み終えたので、そこまでのおさらい。
読もうと思ったのは、新聞の書評か、(売れている)話題の書として取り上げられていたせいと思いますが、
何より決め手は
” 私は17歳のこの時、自分があのラッキー・ルチアーノの血につながる一族だということを初めて伝えられた。”(p82)
このラッキー・ルチアーノとは
” マリオ・プーゾの小説を映画化した『ゴッドファーザー』は72年に公開され世界的に大ヒットすることになるが、公開前はほとんど話題になっていなかった。
・・中略・・
映画は2回だけ見た。物語にはラッキー・ルチアーノをはじめ、実際にあったマフィアのエピソードがいくつも採り入れられていたが、最初に見た時は特に何も感じることはなかった。
当時の私は、自分がラッキー・ルチアーノのファミリーに関係する血筋だとは知らなかったし、世界も狭かった。映画は別世界の物語でしかなかった。
・・中略・・
よく弟からは「あの映画は。父さんと兄貴の人生にそっくりだ」と言われていたが、だからこそ、心が痛む物語だった。それ以降、私は『ゴッドファーザー』を一度も見ていない。”(p36-37)
と映画史に燦然と輝く名作『ゴッドファーザー』の主人公のお孫さんの著書、自伝というバックボーンに惹かれて。
読み終えたのは、ニューヨーク、パキスタン、フィリピンなど、世界を転々としながら、時に裏稼業、マフィアのビジネスに手を染めながら、
お父さまの奨めに従って、
” 今思えば成り行きで行くことになった日本。まさか東のはずれにある島国で、現在に至るまで長い期間を過ごすことになるとは、この時、まったく想像もしていなかった。”(p149)
と、運命を決定づけることになる日本行きを決心するところまで。
当事者が明かす、マフィアの日常、掟
披露されている内容は
” 当時のプロレス興行の裏には必ずと言っていいほどマフィアが絡んでいたが、なぜシカゴだったのかと言えば、伯父さんの仲間だったプロレスラーがシカゴを本拠地にしていたからだ。
伯父さんも私も、彼のことを「キムさん」と読んでいた。キムさんは在日韓国人二世で出身は日本。
日本プロレスで活躍した後、72年にアメリカに渡ってきたそうだが、アメリカのマット界で超一流のヒールになり、名だたるスーパースターとタイトルマッチを戦うほどの人気を博していた。
彼のアメリカでのリングネームは「キム・ドク」「タイガー・チャン・リー」、日本では「タイガー戸口」と言えば、プロレスファンにはわかるかもしれない。”(p34)
という具体的なエピソードに、
” ミーティングで話し合われる議題はさまざまだ。たとえばファミリーが新しい土地を手に入れたとして、ではそこでどんな商売をやるか、イタリア料理店なのか秘密カジノにするのか、誰と誰がどれだけ出資するのか、責任者は誰に任せるのか、といったことを決める。
大半はファミリー内でやっている者が多かった飲食店経営や建設関係ビジネスに関する調整で、別のファミリーが仕切るエリアで商売を始めたいという者がいれば、誰が話を通しに行くのか、そのための金はどうするのかといったことも決める。”(p52)
といったマフィアの日常、仕来たりに・・
怖いもの見たさといった何となく抱いていた興味、関心を刺激される内容が散見され、結構なペースで読み進められています。
これから舞台は日本に移るので、どのような話しが展開されているのかに興味津々です。